125ccと150cc前後のバイク、一見あまり変わらないように見えるという人も少なくないでしょう。しかし実は、125ccと150cc前後のバイクでは大きな違いがあります。では、どのような違いがあるのでしょうか。

詳しく知らない…125ccと150ccの違いとは?

 排気量が50cc以下は原付一種、51cc超125cc以下のモデルは原付二種など、バイクはさまざまな排気量のモデルが販売されています。ラインナップ数は少ないものの、150cc前後のバイクも販売されていますが、125ccバイクとあまり大きな違いはないのでは?と考える人も多いでしょう。

 しかし、これらふたつの排気量のモデルには、大きな違いがあるといいます。いったい、どういった点が異なるのでしょうか。

125ccと150cc前後の排気量のバイクには、「道路交通法」と「道路運送車両法」に差がある
125ccと150cc前後の排気量のバイクには、「道路交通法」と「道路運送車両法」に差がある

 そもそもバイクの区分には「道路交通法」と「道路運送車両法」の2種類があり、それぞれによって区分の仕方が異なります。「道路交通法」とは道路交通について記載された法律であるのに対し、「道路運送車両法」とは、車両の技術基準について設定された法律です。

 まず「道路交通法」では、排気量400ccまでのバイクを普通自動二輪に、401cc以上のバイクは大型自動二輪という分け方をしています。したがって「道路交通法」においては、125ccのバイクも150cc前後のバイクも普通自動二輪という同じ区分のバイクとして扱われます。

 一方、「道路運送車両法」では区分の仕方が少し異なります。道路運送車両法においては、排気量51cc以上125cc以下のバイクは第二原動機付自転車(原付第二種)、排気量126cc以上250cc以下のバイクは二輪の軽自動車(軽二輪)という区分けになります。つまり、道路運送車両法においては、125ccのバイクは自転車であり、150cc前後のバイクは二輪の軽自動車として扱われるというわけです。

 この道路運送車両法の分け方は、運転免許証でも踏襲されています。バイクの運転免許の場合は、51cc以上125cc以下では普通自動二輪車(小型限定)、126cc以上400cc以下までを普通自動二輪車というように分類されています。つまり、小型限定の普通自動二輪車の免許を持っていても、150cc前後のバイクに乗ることはできません。

 このように、道路交通法においては125ccのバイク、150cc前後バイクともに同じ普通自動二輪という区分になりますが、実際に運転する場合は、普通自動二輪免許を所持していないと、どちらのバイクも乗る事はできません。もし普通二輪小型限定免許所持者が126cc以上のバイクに乗る場合は、まずは普通自動二輪車免許を取得しましょう。

 その他にも、125ccと150ccのバイクには違いがあります。

125cc以下のバイクは高速道路を走行する事はできない
125cc以下のバイクは高速道路を走行する事はできない

 まず一番大きな違いは、高速自動車国道及び自動車専用道路を走行できるかできないかという点です。残念ながら、125cc以下のバイクは高速道路を走る事はできません。道路法第48条の11には、「自動車専用道路を自動車による以外の方法により通行してはならない」とあります。

 また、高速自動車国道法第17条には「何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、又は高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならない」と明記されています。

 125ccのバイクは道路運送車両法において、自動車ではなく原動機付「自転車」に分類されています。そのため、高速自動車国道及び自動車専用道路を走ることはできません。もし違反した場合は、違反点数2点、反則金額5000円が科せられます。

 それに対して、150cc前後のバイクは二輪の「軽自動車」に分類されるため、高速道路及び自動車専用道路を走ることができます。その他の違いとして、重量税の違いも挙げられます。バイクにかかる税金には、「軽自動車税(種別割)」と「自動車重量税」の2種類があります。

スズキの150ccネイキッドバイク「ジクサー150」
スズキの150ccネイキッドバイク「ジクサー150」

 ひとつ目の軽自動車税とは、「毎年4月1日現在、原動機付自転車、ミニカー、総排気量125ccを超えるオートバイ、総排気量660cc以下の軽自動車、小型特殊自動車、雪上車」の所有者が支払う税金のことをさします。つまり、原付から大型バイクまで、排気量問わず全てのバイク所有者はこの軽自動車税の支払い義務が生じるのです。しかし、税額は排気量ごとに区分されています。125ccのバイクは年間2400円、150ccのバイクは年間3600円の税金がかかります。

150c前後のバイクは、運輸局へ新規登録車検時に自動車重量税4900円を支払う
150c前後のバイクは、運輸局へ新規登録車検時に自動車重量税4900円を支払う

 そしてふたつ目の自動車重量税とは、購入したバイクの排気量に応じて課される税金です。150c前後のバイクは、運輸局へ新規登録車検時に4900円を支払うことになります。一方、125ccのバイクは自動車ではなく原付扱いのため、自動車重量税の課税対象外となるので、重量税を支払う必要はありません。

 また、125ccと150cc前後のバイクでは、ナンバープレートの色も異なります。125ccのバイクはピンク色、150ccのバイクは白色のナンバープレートと、視覚的にわかりやすい違いといえます。

 さらに、バイクの登録方法も125ccと150cc前後では異なります。例えば126cc以上バイクは、陸運局に届け出を行い、車両番号の指定を受ける必要があります。しかし、125cc以下のバイクは原付自転車なので、陸運局に届け出をする必要はありません。ライダーが住民票を置いている役所で申請をすることで、ナンバーが交付されるというわけです。

 他にも、クルマを所有している人の場合は、125cc以下のバイクであれば、ファミリーバイク特約という保険に加入することができます。これは、自動車の任意保険に付帯している特約のひとつで、任意のバイク保険に比べて保険料が安くなる傾向があります。

クルマを所有している人の場合は、ファミリーバイク特約があるため、125ccを選ぶ人が多い
クルマを所有している人の場合は、ファミリーバイク特約があるため、125ccを選ぶ人が多い

 クルマを所有している人の場合は、ファミリーバイク特約があるため、125ccと150cc前後のバイクであれば125ccを選ぶ人が多いかもしれません。

※ ※ ※

 たった排気量25ccの違いによって、125ccと150cc前後のバイクはさまざまな違いが生じます。どちらも取り回しやすく軽量なモデルが多く、共通のフレームを使うモデルもあるため、見ため、見た目では違いがわからないこともあります。

 高速道路に乗る乗らない、メイン車両として使うのか、はたまたクルマのサブとして使うかなどを考慮して購入すると良いでしょう。