二輪メーカー各社によるここまでの業績が発表されています。いずれのメーカーもかなり好調な結果となったようですが、その内容はどのようなものだったのでしょうか?

各社ともに増収増益、ヤマハは過去最高の決算に

 2023年2月、国内二輪メーカー各社のここまでの業績および今後の業績予想が発表されました。コロナ禍やウクライナ危機、そしてそれらにともなう部品不足や円安など、企業にとっては予測不可能な状況が続くなかで、各社はどのような内容を発表したのでしょうか。

2023年2月の国内二輪メーカーの業績好調
2023年2月の国内二輪メーカーの業績好調

 まずは、2023年2月10日に発表されたホンダの2022年度4月〜12月の業績を見てみましょう。

本田技研工業本社(東京都港区)
本田技研工業本社(東京都港区)

 四輪事業なども含めたホンダ全体の売上高は12兆5234億円となり、前年同期比17.3%の増収となりました。営業利益は7339億円となり、こちらも同 9.3%の増益となっています。

 二輪事業に限定した業績を見てみると、売上高は2兆2023億円と前年同期比37.5%の増収、営業利益は前年同期比62%の増益となる3765億円を記録するなど、グループ全体の増収増益に大きく貢献していることがわかります。

 ホンダは業績好調の要因について、為替の影響に加えて「主にアジアで販売が増加したこと」や「好調な販売状況や商品価値向上に見合う値付けの効果」であると説明しています。

ヤマハ発動機本社(静岡県磐田市)
ヤマハ発動機本社(静岡県磐田市)

 次に、2023年2月13日に発表されたヤマハについて見てみましょう。なお、ヤマハは12月を決算月としているため、今回発表されたものは2022年度通期での業績となります。
 
 2022年度におけるヤマハの全体の売上高は2兆2485億円となり、前年同期比24.1%の増収となりました。営業利益は2249億円となり、こちらも前年同期比23.3%の増益となっています。また、売上高、営業利益ともに過去最高の数字となっています。

 二輪事業とRV(レジャービークル)、電動アシスト自転車などが含まれるランドモビリティ事業に限定すると、売上高は1兆4682億円、営業利益は874億円と、それぞれ前年同期比24.5%の増収、同27.2%の増益となっています。

 ヤマハによると、売上高については「世界的なサプライチェーン混乱による供給不足の影響を受けたものの、先進国における船外機需要の堅調な推移、新興国の二輪車需要が回復したこと」、営業利益については「コストダウンの継続や、価格転嫁の効果顕在化、加えて円安によるプラスの効果」が背景にあると説明しています。

 次は、2023年2月7日に発表されたスズキです。

スズキ本社(静岡県浜松市)
スズキ本社(静岡県浜松市)

 スズキの2022年度4月〜12月の売上高は3兆4128億円となり前年同期比32.6%の増収、営業利益は2670億円と同82%の増益となるなどいずれも好調です。

 二輪事業に限定すると、売上高は769億円、営業利益は77億円となっており、それぞれ18.7%の増収、226.7億円の増益となっています。

 二輪事業の業績について、スズキは「インドでの値上げ等による売上構成変化等の改善、販売増加、為替円安効果等が寄与」と説明しています。

 最後は、2023年2月10日に発表されたカワサキです。

カワサキモータース(兵庫県明石市)
カワサキモータース(兵庫県明石市)

 2022年4月から12月におけるグループ全体の売上高(売上収益)は1兆1963億円と前年同期比15.2%増、営業利益(事業利益)は808億円と同181.5%増を記録しています。

 二輪事業が含まれるパワースポーツ&エンジン事業は、北米や東南アジア向けバイクなどの増加や円安、価格転嫁などが功を奏し、売上高(売上収益)が前年同期比33.7%増の4137億円、営業利益(事業利益)が同78.4%増の537億円となりました。

※ ※ ※

 二輪メーカー各社の業績を見ると、いずれもかなり好調であることがうかがえます。各社ともに海外事業の占める割合が多いことから、昨今の急激な円安が業績に与える影響は少なくありませんが、それを差し引いても前年より大きく伸長しています。

業績が好調の要因は、東南アジアをはじめとした主要市場での販売台数増加
業績が好調の要因は、東南アジアをはじめとした主要市場での販売台数増加

 大きな要因のひとつとなっているのが、東南アジアをはじめとした主要市場での販売台数増加です。これらの国や地域では、コロナ対策の方針転換や経済復興などにより、二輪車需要が大きく回復しています。

 こうした現状をうけて、すでに2022年11月に業績見通しを上方修正していたホンダとヤマハに加えて、2023年2月にはスズキとカワサキも上方修正を発表しました。

 一方で、半導体などの部品不足による生産の遅れや不安定な世界情勢による不透明感は依然として続いており、手放しで喜べる状況とは言い難いのも事実です。また、業績好調とはいえ、各社ともに二輪事業の軸足はすでに日本国外へと移されている点は、日本国内のバイクユーザーからすれば歓迎できることではないかもしれません。