ツーリングなどの遠出時に利用する機会の多い高速道路ですが、よく似た道路として、自動車専用道路が挙げられます。高速道路、自動車専用道路はよく似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
高速道路と自動車専用道路の違いについて
自動車専用道路は、高速自動車国道と同様で、高速道路に分類される非常によく似た道路です。自動車専用道路と高速自動車国道は、料金設定や最低速度指定、特別な通行制限といった制限が設定されていない限り、走行可能な車両や制限速度など様々な点で違いがあります。二つの道路で設定が違う理由は、建設された目的が違うからです。

高速道路は、国の物流網や連絡網として使われることを目的し、建設されています。そのため、速く走行でき、都道府県を超えて走行できるというメリットが挙げられます。
自動車専用道路は、地方や地域の交通利便性向上を目的としており、高速移動を目的として建設されていません。そのため速度上限が高速道路よりも低く設定されており、最低速度の設定もありません。このように、高速道路と自動車専用道路は、作られた目的が違うため、速度制限に違いがあります。
高速道路は速度制限が定められていない区間の場合は、最高速度100km/hに設定されています。また、高速道路の場合は最低速度も定められており、最低速度50km/hに設定されています。高速道路を通行する場合は、基本的に最低速度50km/hから最高速度100km/hの間で走行することが求められます。

ただしこの制限は速度制限が定められていない区間の場合であり、制限が設定されている区間では異なります。上下1車線ずつの暫定2車線区間や登坂車線といった区間では、最高速度が60km/hに設定されている区間もあり、その都度の区間に設定されている道路標識で確認することが必要です。
自動車専用道路の速度制限は、指定された区間でない限り、一般道路と同じく同様に最高速度が60km/h以下に定められています。ただし速度制限が引き上げられる区間が一部用意されており、道路によっては最高速度が70km/hや80km/hに定められています。
さらに、自動車専用道路は、最低速度の制限が定められていないため、高速道路と違いゆっくり走行することもできます。
高速道路と自動車専用道路では、料金設定に違いがある
高速道路の料金は、対距離料金制と均一料金の2つの料金システムが用意されています。対距離料金制は利用1回当たりのターミナルチャージが150円で設定されており、そこにプラスして下記にある4つの料金設定が用意されています。

基準設定額である、1 km 当たり24.6円、大都市近郊区間は1 km 当たり 29.52円 (基準設定額の1.2倍)、長大トンネル(関越・恵那山・飛騨) は1 km 当たり39.36円 (基準設定額の1.6倍)、交通量僅少区間 (十勝清水から本別や足寄までの区間、湯殿山から酒田みなとまでの区間など) は1 km当たり19.68円 (基準設定額の0.8倍)、といった料金設定があります。
上記のように基本的な区間の料金設定は1 km 当たり24.6円で設定されており、大都市近郊区間や長大トンネルといった区間、交通量が見込まれない交通量僅少区間は基準設定額と違う料金設定になります。
均一料金は、中央道の高井戸から八王子の間や、東京外環道の大泉JCTから三郷南の間、近畿道の松原JCTから吹田JCTの間が当てはまります。上記の区間では料金の設定がそれぞれ固定されています。

自動車専用道路は、原則的に通行料金が無料で設定されています。そのため高速道路とは違い料金設定がされていません。そのため自動車専用道路は、利用したい区間で料金を支払わずに自由に通行できます。
さらには高速道路の料金設定は、車両によって5つに分類されており、それぞれ違いがあります。例えば、東名高速道路・新東名高速道路の東京から東名川崎まで利用した場合の車両別料金は以下になります。
軽自動車やバイクの場合は320円、普通自動車の場合は370円、中型自動車の場合は450円、大型自動車の場合は570円、特大自動車の場合は840円。
上記のように、東京から東名川崎までの約7.6kmの区間では、軽自動車は320円に設定されていますが、特大自動車だと同じ区間でも840円と設定されており、車両によって料金の大きな違いがあります。
高速道路と自動車専用道路では走行できる車両の種類にも違いがある
高速道路で走行できない車両は、マイクロカー(総排気量は125cc以下の車両)、総排気量125㏄以下の普通自動二輪車、原動機付自転車、農耕用作業車といった構造上時速50km以上の速度で走行できない自動車、けん引装置と被けん引装置が設置されている車両は除く、他の車をけん引する際に時速50km以上の速度で走行できない車両が挙げられます。

自動車専用道路で走行できない車両は、マイクロカー、総排気量125cc以下の普通自動二輪車、原動機付自転車が挙げられます。
高速道路では禁止されていますが、自動車専用道路で通行できる車両もあります。それには、小型特殊自動車、けん引車両、故障車を牽引している自動車、農耕作業車といった50km/h以上の速度が出ない車両が挙げられます。
上記の車両は自動車専用道路で通行できるため、高速道路と違う道路法で定められています。
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自動車専用道路は、高速道路と同じ分類にされます。しかし高速道路と自動車専用道路は、速度制限や通行可能な車両、通行料金で大きく違い、また建設された目的も違います。自動車専用道路と高速道路は似ていますが、大きく違いがある道路といえるでしょう。