始まりの季節である4月は、通勤通学のためにバイク免許を取得したという人も多いでしょう。中には、せっかくバイク免許を取得したなら、休日は恋人を乗せてタンデムデートを検討している初心者ライダーもいるかもしれません。では、タンデムしながらでも高速道路は走行して良いのでしょうか。
まずはタンデムできる車両の条件を理解することが大切
せっかくバイク免許を取得したなら、休日に恋人を乗せてタンデムデートへ行きたい…と考える初心者ライダーもいるでしょう。ひとりでバイクに乗るのも楽しいですが、後ろに人を乗せ、バイクでの爽快さ・開放感を誰かと分かち合うのも良いものです。
ただし二人乗りできるのは、排気量が51cc以上のバイクに限られます。そのため、排気量が50cc以下の原付一種ではタンデム走行ができません。また、排気量51cc以上125cc以下の原付二種もすべての車両がタンデム可能なわけではなく、同乗者がつかむグラブバー、もしくはベルトが装備されており、かつ同乗者用のステップがあるものに限られます。
もし125cc以下のバイクで高速道路に進入した場合は通行禁止違反となり、反則点数2点に加え、6000円の反則金が課せられることとなります。
なお、同乗者に年齢・体重の制限はなく運転免許も必要ありませんが、運転者同様にヘルメットの装着が義務付けられているほか、同乗者の足が同乗者用ステップに届かなくてはなりません。
つまり、同乗者用ステップに足が届かない乳幼児はこの条件に当てはまらないことから、タンデム走行することはできないというわけです。また、後ろに乗せられないからといって背中におぶったり、運転者の前に乗せたりする行為は非常に危険なため、絶対にしてはいけません。
ちなみに、乗車定員が2名と定められたバイク以外でタンデム走行した場合は、運転者にのみ定員外乗車違反が適用され、反則点数1点に加え、6000円の反則金が課せられてしまいます。
絶好のツーリングシーズン!タンデムで高速道路は走行できる?
このように、タンデム走行するためには車両自体にも条件が課せられていることがわかります。絶好のツーリングシーズンである今の時期、家族や友人・恋人を乗せてタンデムツーリングの予定を立てる人もいるかもしれませんが、まずは運転するバイクがタンデム走行できる車両かどうかを十分に確認しておくと良さそうです。
ツーリング時は高速道路を走行する機会が多くなりますが、そもそも高速道路はタンデム走行しても良いのでしょうか。
結論から言えば、高速道路でのタンデム走行は条件付きではあるものの認められています。
高速道路でタンデム走行する場合は、まず運転者の年齢が20歳以上である必要があります。これに違反した場合、大型自動二輪車等乗車方法違反が運転者に適用されてしまい、反則点数2点と反則金1万2000円に加えて10万円以下の罰金が課せられるなど、かなり重い罰則内容となっています。
なお、運転者の年齢が20歳以上であり、大型免許もしくは普通二輪免許を取得してから3年経っていることも、条件として挙げられます。この場合も前述した大型自動二輪車等乗車方法違反に当てはまり、同内容の罰則が課せられることになります。
この条件を見て、かなり厳しいと感じる人もいるかもしれません。しかし、高速道路は一般道よりも速い速度で走行します。また、一般的にクルマよりバランスが悪い傾向にあるバイクでタンデムするとなると、運転するのはさらに難しくなることは想像に難くありません。事故時の危険性もそれだけ高いことから、一般道よりもさらに厳しい走行条件が求められているというわけです。
ただし、都心環状線や高速1号上野線など、首都高速道路の一部ではタンデム走行が禁止されている区間もあります。こうした二人乗り禁止区間が始まる手前には、「大型自動二輪車及び普通自動二輪車二人乗り通行禁止標識」が掲示されており、あらゆる自動二輪でのタンデム走行が禁止されています。
タンデム走行中は禁止区間には侵入せず、禁止規制の手前出口から降りましょう。ちなみに、側車付き自動二輪車、いわゆるサイドカーは禁止区間であっても通行することができるようです。
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このように、高速道路でのタンデム走行は条件こそあるものの、認められていることがわかります。ただし、一般道を走行する場合よりもさらに厳しい条件が課せられていることを十分に確認する必要があります。
また、同乗者に年齢・体重の制限などはなく、タンデム走行時の違反も適用されることはありませんが、ヘルメット・長袖長ズボンの着用や、足を同乗者ステップに乗せるなどして、同乗者の安全を十分に確保することも大切です。