レーシングライダーの石塚健選手が、ヤマハ「RZ350」に試乗。そのインプレッションです。
THE 2ストレーサー!という走りがお気に入り
皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。
今回は、ヤマハの名車である「RZ350」に試乗してきましたので、そのインプレッションしていきます。

ヤマハRZ350は、RZ250の爆発的なヒットに続き、1981年2月に登場した2ストロークスポーツ。
1970年代に自動車排出ガス規制が強化される中、「最後の2ストロークになる」という想いで、ヤマハが開発したRZシリーズの1台です。
RZ250からの変更点は、54mmだったシリンダーボアを10mm拡大し、キャブの内部パーツを変更する事で、45psまでエンジンパワーを増大。そのパワーを受け止めるために、フロントブレーキがダブルディスクへと変更されたなど。
最高速度は約187km/h。国内では「ナナハンキラー」などとも呼ばれ、大排気量車を追い回すことができる1台として人気を博したモデルでもあります。
ちなみに、僕がこのモデルの存在を知ったのは人気漫画「東京卍リベンジャーズ」!
大好きな漫画に出てくるバイクに乗れるという事で、ワクワクが止まりませんでした。

それでは足つきから確認していきます。シート高785mmに対して身長165cmの僕が跨ると、若干踵が浮いていますが、足つきは良好。
スタイルが良く、ヤマハ車らしいコンパクトな仕上がりになっているので、立ちごけしてしまうかもという怖さはありません。

走行してみると、下からのトルクがあるのでストリートでも非常に乗りやすく、信号待ちからの発進やすり抜けなんかもスイスイです。エンジンは、6000回転から7000回転ぐらいのパワーバンドに入ると強烈な加速感を感じられ、興奮するレベル。
ハンドリングに関しては素直かつ俊敏な動きをしてくれます。また、車重が軽いので、小回りや切り返しも思い通り。2ストならではの軽さとパワー、パワーバンドを超えたあたりで感じられるゾクゾク感など、現代のバイクでは中々味わえない楽しさが、詰め込まれていました。
旧車と呼ばれるカテゴリのバイクが好きな方には、きっと刺さる1台です。絶版車と呼ばれる、球数が少ない人気車種なので、出会った時は運命!是非、乗り味を体感してみてください。

■ヤマハ「RZ350」諸元
型式:4UD
全長(mm):2080
全幅(mm):740
全高(mm):1085
ホイールベース(mm):1365
シート高(mm):785
乾燥重量(kg):143
車両重量z(kg):162
最小回転半径(m):2.5
乗車定員(名):2
原動機種類:水冷・2ストローク・ピストンリードバルブ
気筒数配列;並列2気筒
排気量(cc):347
最高出力(PS):45
最高出力回転数(rpm):8500
最大トルク(kgf・m):3.8
最大トルク回転数(rpm):8000
燃料タンク容量(L):16.5
燃料(種類) レギュラーガソリン
エンジン始動方式:キックスターター式
点火装置:C.D.I.式
2ストエンジンオイルタンク容量:1.60
変速機形式:リターン式・6段変速
1次減速比:2.869
2次減速比:2.437
変速比:1速 2.571/2速 1.776/3速 1.317/4速 1.082/5速 0.961/6速 0.888
フレーム型:フルダブルクレードル
ブレーキ形式(前):油圧式ダブルディスク
ブレーキ形式(後):機械式リーディングトレーリング
タイヤ(前):3.00-18
タイヤ(後):3.50-18
■新車当時価格:40万8000円