レーシングライダーの大久保光選手が、フランスにあるブガッティ・サーキットで行われた世界耐久ロードレース選手権の開幕戦に参戦!その様子をレポートしてくれました。
実はほとんど休む時間がない24時間レース
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。
今回は4月15日、16日に行われましたEWC世界耐久選手権開幕戦の決勝レースについて書いていきたいと思います。
前回の記事の続きとなりますので、まだご覧になっていない方はぜひ、読んでみてください。

さて、レースと言いましても、EWCの開幕戦は24時間あります。ここでよく聞かれることはレース中の24時間、寝ないのかという質問。
実際にはレース中、多少の仮眠はしますが、よくて30分から40分ほど。だいたい1人1回のスティントが50分ほどなので、3人のライダーで走ったとして、次の自分の番までは100分ほどあります。しかし、この約100分は走行後のコメントをチームに伝えたり、食事や着替えをしてから仮眠となりますので、ゆっくり休む時間がないのが実情です。

レース前のフリー走行が、土曜日の9時半から始まりますので決勝日は、最低でもその走行1時間前にはサーキットに到着していなければなりません。
今回の私の場合はサーキットで寝泊まりをしていたので、起床がだいたい7時半ぐらい。レース開始は午後3時からなのですが、その間にもピットウォークなどのイベントもあり、ゆっくり寝ることができるとも限りません。そこから24時間レースがスタートして、日曜日の午後3時にチェッカー。
レース後はそのまま撤収作業に入るチームが多いので、その日早く寝られたとしても夕方という感じで、実際に起きている時間は24時間を超えています。
24時間をバイクで走るという過酷さ
さて、そんな流れでレースが始まりますが、スタート進行時のパレードも1時間ほどあったりと、年に1度のビックイベントということを実感できるレースとなっています。
ここからは私のレースの話になりますが、スタートライダーは私のチームメイトが務めました。

しかし序盤からブレーキトラブルが出てしまい、緊急ピットインを繰り返す展開。最終的にフロントブレーキを一式交換することによって解決しましたが、大きく順位を落としてしまいました。
そこから順調に走っていましたが、私のスティント時にセーフティーカーが出た際に、ステアリングがロックしてしまうトラブルが発生し、転倒を喫してしまいます。
幸いレッカー車ですぐにピットに戻ることができましたが、これにより順位をまた大きく落としてしまいました。

この時のピット作業では、フロント周りをすべて取り替えたため、多くの時間をロスすることになり、コースに戻った時点での順位は45番手前後となります。しかし3人ともにアベレージタイムがよく、順位を少しずつ上げていくことができ、28番手あたりまで回復させることに成功したのですが、残りのレース時間が5時間を切ったところでエンジンブロー。
悔しくも、そこでレースを終えることとなりました。悔しい結果となりましたが、それまで積み上げてきたものは今後のレース活動に活きていくと思いますので、この経験を糧に今シーズンのメインレースであるMotoEワールドチャンピオンシップ頑張っていきます!
MotoEの開幕戦は5月13日、14日に、今回と同じブガッティ・サーキット。応援、よろしくお願いします。