アジと言えばアジフライ! というライダーのために、美味しいアジフライを味わえる店を紹介します。再び逗子市の『うおへい商店』を訪れました。

美味しい弁当とバイク談義、ライダーが訪れる人気店

 美味しいアジフライを求めて、筆者(増井貴光)が愛車のホンダ「CT110」で走ってきたのは神奈川県逗子市です。横須賀市から鎌倉、江ノ島、湘南を経て大磯町に至る国道134号の中でも、筆者が一番気持ち良いと思うのが、逗子海岸から由比ヶ浜までの区間です。

逗子海岸で「うおへい商店」の「アジフライダブル弁当」を食べる筆者。トンビに襲われることもあるので注意
逗子海岸で「うおへい商店」の「アジフライダブル弁当」を食べる筆者。トンビに襲われることもあるので注意

 この区間は1986年まで「湘南道路」という有料道路でした。そのため途中に交差点や横道がほとんどありません。当時バイクの通行料金は50円で、タンクにテープで50円硬貨を貼り付けて走っていた記憶があります。野菜中心のカフェメニューで人気の「808Cafe10R(やおやカフェテンアール)」がある「逗子海岸ロードオアシス」が当時の料金所でした。また、藤沢市片瀬から由比ヶ浜までの区間も、1975年までは有料道路で「七里ヶ浜海岸駐車場」が料金所だったそうです。

 今回の目的地は、この国道134号、逗子海岸から一本内陸側の生活道路にある店、カフェレーサーならぬ“ベントウ(弁当)”レーサーが集まる「うおへい商店(魚平商店)」です。店主のSNSで話題になり、全国からライダーがやって来る有名店なのです。

 じつは本企画『美味しいアジフライを求めて走る旅』の記念すべき第1回で紹介しています。一番人気の「刺身弁当」を購入し、逗子海岸で食べるというのがブームになっていますが、「刺身弁当」+「さつま揚げ」のように、もう一品追加する強者も増えてきました(量が多い)。

逗子市新宿の生活道路沿いに店を構える「うおへい商店」は、日本各地よりライダーが集まる「ベントウレーサー」の聖地
逗子市新宿の生活道路沿いに店を構える「うおへい商店」は、日本各地よりライダーが集まる「ベントウレーサー」の聖地

 月に1回以上は「うおへい商店」に弁当を買いに行く筆者のオススメは、やはりアジフライ推しで「アジフライダブル弁当」です。「うおへい商店」のアジフライは程よい大きさで厚みもあり、冷めてもサクサクフワフワ食感です。開店直後に行って揚げたてを食べる、というのが筆者のささやかな野望になっていますが、なかなかタイミングが合いません。

 そして「刺身弁当+アジフライ」もオススメです。「刺身弁当」は美味しい上に見た目以上にボリュームがあります。これにアジフライをプラスすると、完全にご飯の量が足りなくなります。

 ほかにも「さつま揚げ」、「ブリカマ」、「サバの文化干し」などが店頭で販売されており、どれも美味しく、これらを弁当にしてもらうこともできます。また「イカの塩辛」も絶品です。

店頭で販売されている自家製の「さつま揚げ」や「ブリカマ」、「サバの文化干し」など、どれも美味しい
店頭で販売されている自家製の「さつま揚げ」や「ブリカマ」、「サバの文化干し」など、どれも美味しい

 弁当を購入したら、店から歩いて逗子海岸の砂浜で食べる。これが気持ち良いのですが、注意しなくてはいけないことがあります。先日、テレビのニュース番組から取材を受けた店主の和田さんがコメントしていましたが、海岸で食べているとトンビが襲ってきます。おにぎりやハンバーガーなど、取られた瞬間まで気が付かないほど鮮やかに奪い去られます。

 口へ運ぶ途中の箸で摘んだアジフライを持っていかれることもあるかもしれません。ということで、筆者的対抗策は、背中側に壁や階段のある場所で食べることです。トンビは正面からではなく後ろから襲ってくるので、遮蔽物がある場所では襲われにくいのです。いままで正面から襲われたことは無く、これが最善の策だと思っています。

「うおへい商店」の一番人気となっている「おさしみ弁当」。刺身の量と種類は、見た目をはるかに超える
「うおへい商店」の一番人気となっている「おさしみ弁当」。刺身の量と種類は、見た目をはるかに超える

 和田さんは、ハーレーダビッドソンやインディアンモーターサイクル、トライアンフなどのビンテージバイクに詳しく、自身でレストアも手掛けます。弁当屋にやって来る「ベントウレーサー」だけでなく、バイクの話を聞きに来るライダーも多いそうです。前回行った時は塩辛を買い忘れたのでまた行きたいと思います。筆者もすっかり「ベントウレーサー」です……。