正式には「優良運転者免許証」と呼ばれるゴールド免許は、免許を更新する前の5年間に点数のつく事故や違反がなかった場合に交付される特別な免許です。そんなゴールド免許を持っていると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

交通相談コーナーに聞く!具体的なメリットとは

 ゴールド免許は、少なくとも5年間無事故無違反を継続しなければ手に入りません。そんな優良運転者の証でもあるゴールド免許を持っていると、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ゴールドの帯がゴールド免許の証
ゴールドの帯がゴールド免許の証

 警視庁交通相談コーナーの担当者は、次のように話します。

「第1に考えられるメリットは、更新手続きが楽になることでしょう。ゴールド免許の更新は高齢者でなければ5年に1度、対してブルー免許の場合は3年から5年に1度となっています。また、通常だと1、もしくは2時間かかる免許更新時の講習も、ゴールド免許の場合は30分で終わります」

 これらに加え、免許の更新の際に必要な金額は運転者の区分によって変わる点もメリットのひとつ。

 一律の更新手数料2500円に加え、優良運転者の場合は500円、一般運転者の場合は800円、違反運転者の場合は1350円の講習手数料が必要なため、優良運転者は講習が短い分、手数料が安く済むよう設定されています。

 さらに、北海道、京都府、千葉県、山口県では優良運転者を対象にしたオンラインでの更新時講習が試験的に運用されています。事前に自宅等でオンライン講習を済ませることで、現地でおこなう更新手続きの所要時間がさらに短縮され、スムーズに更新をおこなうことが可能。

 本格的なオンライン講習の運用開始は2024年末頃が予定されているようですが、デジタル大臣による前倒しの要請もあるため、普及が若干早まる可能性もあります。

 それだけでなく、ブルー免許の場合は試験場でおこなわなければいけない更新も、ゴールド免許の場合は警察署などに併設されているゴールド免許更新センターで済ませることが可能。

 たとえば離島を除く東京都の場合、違反運転者は府中運転免許試験場、鮫洲運転免許試験場、江東運転免許試験場の3箇所のいずれか、一般運転者はそれに神田運転免許更新センターを加えた合計4箇所のいずれかで更新を行わなければなりません。

 一方、ゴールド免許を持っている優良運転者の場合は、前述の4箇所に新宿運転免許更新センターと12箇所の警察署を加えた合計17箇所から更新場所を選ぶことができます。

 このように、手続きにかかる時間やお金を節約できるという点において、ゴールド免許は非常に魅力的といえるでしょう。

ゴールド免許を持っていると保険料も安くなる!?

 ゴールド免許を持っていると、その他にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ゴールド免許のメリットは更新の簡略化だけでなく保険の割引などがある場合も
ゴールド免許のメリットは更新の簡略化だけでなく保険の割引などがある場合も

 交通相談コーナーの担当者は、次のように話します。

「警察とは関係なく、私の個人的な経験に基づく話になってしまうのですが、クルマやバイクの任意保険はゴールド免許を持っていることによって割引されることが多いです」

 ゴールド免許は、5年間事故や違反がないことを示す、ある種のステータスのようなもの。保険会社は事故のリスクが低い人の保険料を安くする仕組みを採用していることが多いので、走行距離が短い人などと同じくゴールド免許を保持している人に対しても、割引が適用されることがあるようです。

※ ※ ※

 ゴールド免許を持っていると行政上の手続きの負担が軽減されたり、任意保険の保険料が安くなったりとさまざまなメリットがあります。

 5年間の無事故無違反という厳しい条件を満たしてゴールド免許を手にいれるためには、よりいっそうの安全運転を心がけることが大切だと言えるでしょう。