平日の日中に城跡を巡っていると城好きの人と出会うことはありますが、千葉県香取市の「小見川城(おみがわじょう)」は、花見目当ての人たちが多く訪れる公園でした。折しもツツジが咲き誇っていたのでした。
分かりやすい城の遺構、満開のツツジに癒される
千葉県香取市にある「小見川城(おみがわじょう)」の跡地は、県内でも有数の花見の名所とのことです。桜をはじめ様々な樹木が70種あまり、約6000本が植えられた公園で、四季を通じて花見を楽しめるようです。
それとは知らずに城跡巡りだけを目的に訪れたため、平日の昼間から多くの人が訪れていることに驚きました。ソメイヨシノは1000本、桜の開花時期はライトアップされ夜桜スポットとしても人気が高いようです。訪れたときはツツジが満開で、なんと4000本のツツジが山一帯に咲き乱れていました。
さて、本題の城跡を巡ってみます。ここは鎌倉時代から戦国時代末期にかけて機能していた城です。解説板にあった内容を要約すると次の通りです。
・小見川城は1199年、粟飯原(あいはら)三代朝秀が築城したもので、東西に伸びる直線連郭式縄張である
・小見川城の区域は主郭群と副郭群で構成され、南北450m、東西130mほどの規模であった
・城の機能は、利根川東遷(とねがわとうせん:江戸幕府の徳川家康による大規模治水事業)以前の「香取の海」水系の要である小見川津を保護、管理することであった
・豊臣秀吉が関東を平定時、豊臣勢に攻められて落城した(1619年に廃城)
現在は公園として機能していますが、歩き進めて行くと、土塁や空堀、土橋、曲輪などが現存しています。草が生えていて写真では分かりづらいのですが、現場を歩いてみると堀の形も明確に分かります。土橋はそのまま歩行路として機能しています。
なお、この公園には古墳もあります。6世紀中頃に作られたと思われる横穴式石室が発見され、保存されています。