MotoGP第5戦フランスGPが、2023年5月12日から14日にかけてル・マン-ブガッティ・サーキットで行なわれました。Moto2クラスの決勝レースを、小椋藍選手(#79/イデミツ・ホンダ・チームアジア)は9位でゴールしました。
開幕から2戦欠場、復帰3戦目もタイムに伸び悩む
MotoGP第5戦フランスGPのMoto2クラスで、小椋藍選手(#79/イデミツ・ホンダ・チームアジア)は3回のプラクティスで総合11番手となり、総合14番手のライダーまでがダイレクトで進出するQ2から予選に挑みました。Q2では16番手。タイムとしてもプラクティス2で記録したタイムを更新できずに予選を終えました。

予選後、小椋選手にタイムが伸び悩んでいることについて質問すると、「う〜ん……」と言って少し考え込み、それから口を開きました。
「……今週、ブレーキングからクリップで自分の思ったような止まり方ができていなかったり、まだタイミングがつかめていなかったりしているんです。毎周ばらばらになっていて。毎周違うと、1周ごとに(タイムを)上げていくことができないんですよね。今のところは、自分の中でタイミングをつかめていないのがダメですね」
22周で行なわれた決勝レースは、2周目の5コーナーで3人のライダーによる激しいクラッシュが発生しました。このアクシデントにより、レースは赤旗中断。その後、レースは14周で再開されました。小椋選手は再開後のレースも16番手からスタートし、中盤に10番手付近に浮上すると、最終的に9位でゴールしました。

土曜日に改善点として挙げていたブレーキングからクリップでの走行については、「ほんの少し良くなった」というものだったそうで、「満足とまではいかなかった?」と聞けば「そうですね」と一言。
さらに9位という結果となったレースについて質問すると、小椋選手は考え込むようにしばらく沈黙しました。その沈黙が、小椋選手のレース後の心情を何よりも表していたかもしれません。

次戦のイタリアGPまでは約ひと月のブレイクがあります。その間に行なうトレーニングについて尋ねると、小椋選手はスペインのバレンシアで行なわれるジュニアGPで走行すると明かしました。あくまでもテストのためのエントリーで、予選や決勝レースを走るものではないとのことです。
小椋選手は左手首の負傷のため、開幕前のプレシーズンテストに参加していません。この“テスト”は不参加だった分を取り戻すための時間なのでしょう。

「レースウイークではすぐにタイムが要求されるので、テストのようなことをするのは難しいですから。走行距離としてはもう十分なんですけど、バレンシアで一度テストができるので、それを有効に使えればと思います」
MotoGP第6戦イタリアGPは、6月9日〜11日、ムジェロ・サーキットで行なわれます。
■Moto2クラスとは……
Moto2クラスはトライアンフ「ストリートトリプルRS」の3気筒765ccエンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。2021年8月、トライアンフによるエンジン供給は2024年まで延長された。タイヤはダンロップのワンメイク。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。