日本気象協会によって続々と梅雨入りが発表されており、雨が増える季節です。そこで、雨天時にバイクを運転する際の注意点をまとめてみました。

雨天時のバイクでの走行は注意すべきポイント多数

 日本気象協会によって、続々と全国の梅雨入りが発表されています。

 雨天時は、通常の道路をバイクで走行する際とは異なる危険が多々潜んでいます。一体どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

雨の日のバイクでの走行は通常の道路とは違った注意ポイントが多々ある。
雨の日のバイクでの走行は通常の道路とは違った注意ポイントが多々ある。

 まずひとつ目の注意点は、マンホールのふたや橋、道路の継ぎ目や電車のレールといった金属の上を走行する場合です。

 金属は水に濡れると滑りやすくなるので、直線の道路を走行する際はもちろんのこと、カーブ走行時はスリップや転倒をする危険性が非常に高まります。

 中でもマンホールは、雨天時の危険ポイントの代表格。また、横断歩道や道路標示といった道路に引かれた白線や黄線も、水に濡れると滑りやすくなるので要注意。これには、白線に使用されている塗料が関係しているようです。

 また、雨の降り始めは路上のホコリやゴミが浮き、特に滑りやすくなっています。そのため、雨天時は上記のような場所を走行するのは避けたいものですが、やむを得ず走行しなければならない場合は、なるべく車体を傾けずにバイクを立てた状態で通過すると良いでしょう。

雨の日にバイクで走行する際はハイドロプレーニング現象に注意する
雨の日にバイクで走行する際はハイドロプレーニング現象に注意する

 ふたつ目の注意点は、ハイドロプレーニング現象が起こる可能性がある点です。

 ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水の膜ができることで、ハンドルやブレーキなどが制御不能となる現象。特に高速道路で起こされる可能性が高いとされていますが、一般道を走行する際も注意しておいた方が良いでしょう。

 ハイドロプレーニング現象は、走行速度が上がってタイヤの排水が追いつかなくなることで引き起こされます。前述したように路面に水が溜まっている状態でスピードを出しすぎたり、タイヤ溝の過度な摩耗や空気圧不足なども発生原因となるため、日頃からタイヤの点検を行い、より一層安全運転を心がけることが重要です。

雨の日にバイクに乗る際はレインウェアを着用する
雨の日にバイクに乗る際はレインウェアを着用する

 そして3つ目の注意点は、雨天に適したライディングウェアを着用すること。

 バイクに乗るとライダーは身体がむき出しとなるため、雨風の影響を受けやすくなります。雨に打たれ濡れた身体のまま走行すると、体温が急激に奪われて集中力が低下したり眠気を誘発するなど、危険な状態になる可能性大。

 これは外気温の高い夏場であっても同様なので、暑いからといって油断して走行すると徐々に寒さを感じ、体調を崩してしまう可能性もあります。

 雨天時でも快適に走行する為に、もっとも効果的な対策としては、バイク用レインウェアを着用すること。現在、さまざまなメーカーからバイク用レインウェアが販売されているので、本格的に梅雨に突入する前に購入しておくと良いでしょう。

 ちなみに、手元や足元が濡れて冷えると運転操作に悪影響を及ぼすため、防水性能の高いレイングローブやブーツカバーもあわせて用意しておくと安心です。グローブやブーツカバーは、ライディングウェアの上からも着用できるよう、ワンサイズ大きいものを目安に選ぶと良いでしょう。

 また、乗車姿勢を取った際に袖や裾が短いと風や雨水が侵入してしまう可能性があるので、購入前に試着してみることも重要です。

雨が止んだ直後は泥はねや水はねに注意して走行する
雨が止んだ直後は泥はねや水はねに注意して走行する

 雨が止んだ後も気を抜いてはいけません。

 なぜなら、道路交通法第71条の1項では、「ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること」と規定されています。

 これに違反すると、二輪車には6000円、原付には5000円の反則金が科せられることになります。その為、雨が上がった直後は泥はねや水はねで歩行者に迷惑がかからないよう、歩行者と安全な距離を保って走行することを心がけましょう。