インドのモーターサイクルブランド、ロイヤルエンフィールドから2021年に登場した「メテオ350」は、排気量349ccの空油冷シングルエンジンを搭載したスポーツクルーザー。スタンダードスタイルの「ファイヤーボール」2023年モデルに試乗してみました!

ロイヤルエンフィールドのスポーツクルーザー「メテオ350」に新色が追加!

 現存する世界最古のモーターサイクルブランド、ロイヤルエンフィールドは、イギリスで発祥し、現在はインドを主要生産拠点にしています。排気量250〜750ccの中排気量クラスでシェア世界ナンバーワン! 最近、日本でも人気を集めています。

ロイヤルエンフィールド「メテオ350」に試乗!
ロイヤルエンフィールド「メテオ350」に試乗!

 歴史あるブランドらしく、伝統を受け継ぐスタイルに時代にマッチした機能が搭載されているところがポイント。主要モデルは空冷シングル、ツインエンジンをメインに展開しており、パワフルながらも厳しい排ガス規制をクリア。昔ながらの車体構成がモーターサイクルファンに支持されています。

 2021年からラインナップに加わったスポーツクルーザー「メテオ350」シリーズは、完全新設計の空油冷シングルエンジンを搭載していますが、しっかりロイヤルエンフィールドのDNAが受け継ぐモデル。モデル名の「メテオ」は1952年に発表された往年のモデル「スーパーメテオ」を受け継いでいるのです。

 現行モデルはスタンダードモデルの「ファイアボール」、アップグレード版の「ステラ」、ウインドシールドを装備した最高グレードの「スーパーノヴァ」の3タイプで展開しています。

新色として登場したスタンダードモデルの「メテオ ファイヤーボール」のFireball Blue
新色として登場したスタンダードモデルの「メテオ ファイヤーボール」のFireball Blue

 2023年モデルはカラーバリエーションが増えました! ファイヤーボールに「Fireball Blue」と「Fireball Matt Green」、スーパーノヴァに「Supernova Red」が追加され、メテオ350 シリーズのカラーバリエーションは全10色となりました。

 今回はスタンダードモデルの「メテオ ファイヤーボール」の新色ブルーに試乗してみました! 実際にどんな乗り味なのでしょうか?

シンプルでバイクらしいスタイル、レトロなカラーリングにグッときます!

 第一印象は美しくてクラシカルで、バイクらしいシンプルなスタイリングに好印象。深みのあるブルーカラーのタンクには、イエローのゴロが入っていて、レトロな雰囲気を盛り上げてくれています。

ホイールにイエローのリムラインが入っていてオシャレ
ホイールにイエローのリムラインが入っていてオシャレ

 レッドやイエローもポップで可愛いし、マットグリーンはミリタリーっぽくてカッコいいけれど、私的には断然ブルーです。ボディはフェンダーやマフラーまでブラックで統一されていて落ち着いた雰囲気。ホイールにイエローのリムラインが入っていてオシャレです。大人のシブさとレトロな愛らしさがあってグッときます。

 大きめの丸目ヘッドライトは中央がハロゲン。外周のガイドライトがLEDという新旧ミックススタイルになっています。こんなところにもコダワリを感じます。

デジタルとアナログの新旧複合メーターはクラシックな丸型
デジタルとアナログの新旧複合メーターはクラシックな丸型

 そして、メーターはクラシックな丸型。こちらもデジタルとアナログの新旧複合メーターで、スピード計のほか、トリップ、オド、燃料、時刻、シフト、エコ、インジケーターランプなど必要な情報がわかりやすく表示されます。デジタルの表示は左のスイッチボックスにあるボタンで表示切り替えができます。

 うれしいのが左のスイッチボックス下にUSBソケットが標準装備されているところ! ハンドルにスマホホルダーを取り付けたい人にはとても便利。こんなところも新しいポイントです。

シート高は765mm、身長158cmの私で足のかかとが浮く程度
シート高は765mm、身長158cmの私で足のかかとが浮く程度

 次に足つきチェック! またがってみると、身長158cmの私で足のかかとが浮く程度の足つきです。クルーザーらしい765mmと低めのシート高なので、しっかり支えることができます。車重は191kgありますが、引き起こすとさほど重さは感じず、扱いやすい印象です。取り回しもラクチンです。

シングルらしい鼓動感のある乗り味と軽快な操作性が楽しい!

 まずはエンジンスタート。イグニッションキーを回して電源オン。ハンドル右側にあるセルスターターはキルスイッチと一体型。形状はレトロなダイヤル式です。親指でスライドさせるとセルがまわり、軽やかにエンジンが回り始めます。

バランサーシャフトが採用されているせいか、嫌な振動はなくて心地よい鼓動感がある
バランサーシャフトが採用されているせいか、嫌な振動はなくて心地よい鼓動感がある

 エンジン音は意外と低音で、単気筒らしい歯切れのいい音を奏でます。バランサーシャフトが採用されているせいか、嫌な振動はなくて心地よい鼓動感があります。

 スタートはスムーズ。トコトコした心地よい振動とエキゾーストノートです。小気味よく軽やか。クラッチは軽くてシフトもスコン、と入りやすい。ストレスフリーです。

 特徴的なのがシフトペダルがシーソーペダルになっているところ。なんでも、本国のインドではサンダルでバイクに乗る人が多いんだとか! ツマ先側のペグでシフトアップ、カカト側のペグでシフトダウンができます。操作に慣れが必要ですが、ブーツが傷まないのでいいかも! もちろん、ツマ先側だけでも普通にシフト操作できます。

ハンドリングは素直で、街中でもキビキビと走れそう
ハンドリングは素直で、街中でもキビキビと走れそう

 加速はスムーズで軽快! ハンドリングは素直で、街中でもキビキビと走れそう。トコトコとした心地よいフィーリングです。ブレーキはデュアルチャンネルABSが採用されていて、安定した制動力を発揮してくれます。

 ステップ位置はフォワード。ゆとりのあるライディングポジションなので、スポーツしすぎないのがいい。軽快だけど疲れないのでいつまでも乗っていたくなります。

サウンドとフィーリングが最高に心地よい「メテオ350」
サウンドとフィーリングが最高に心地よい「メテオ350」

 サウンドとフィーリングが最高に心地よいのです。これはツーリングが楽しくなりそう! 二人乗りすることが多いならステラ、長距離派ならツーリングの装備が充実したスーパーノヴァもオススメです。

■Royal Enfield Meteor 350

全長 × 全幅 × 全高:2140 × 845 × 1140 mm
軸距:1400 mm
シート高:765 mm
車両重量:191 kg
エンジンタイプ:空油冷4ストロークSOHC単気筒
総排気量:349 cc
内径×行程:72 × 85.8 mm
圧縮比:9.5:1
最高出力:14.9 kW(20.2ps) / 6100 rpm
最大トルク:27 Nm / 4000 rpm
燃料タンク容量:15 L
タイヤ:前 100/90-19、後 140/70-17
ブレーキ形式:前後 油圧式ディスク
懸架方式:前 テレスコピック式、後 スイングアーム式
フレーム形式:ツインダウンチューブスプラインフレーム

■メーカー希望小売価格:71万600円〜74万3600円(税込)