アジと言えばアジフライ! というライダーのために、美味しいアジフライを味わえる店を紹介します。横須賀市の『さがみ湾』を訪れました。

朝獲れの地魚へのこだわりがスゴイ

 美味しいアジフライを求めて、やってきたのは神奈川県横須賀市です。横浜横須賀道路の「佐原IC」方面から「ハイランド」という名称の住宅街に向かって急坂を登ります。筆者(増井貴光)の愛車、1986年モデルのホンダ「CT110」で2速全開しないと登りません。登りきった住宅街の中に、目指す店があります。

横須賀市「ハイランド」の住宅街にある「さがみ湾」。暖簾の店名よりも「魚屋食堂」の文字が目立つ
横須賀市「ハイランド」の住宅街にある「さがみ湾」。暖簾の店名よりも「魚屋食堂」の文字が目立つ

 この辺りかな? と思ったくらいに鉄塔が中央にあるロータリータイプの交差点に出て「お! ラウンドアバウトだ!」なんてしょうもないことに喜ぶ筆者です。その先を細い道に入ったところで目的の店「さがみ湾」に無事到着しました。

 壁に貼られたメニューなどを見ると、近くにある下浦漁港の朝獲れ地魚がいただけるとのこと。「朝獲れ日替わり海鮮丼」や、36年間注ぎ足しているタレを使った「地魚天丼」など、またまた目移りするメニューが目白押しではないですか。もちろんフライもその日に仕入れた魚を使っているとのこと。これは、かなり期待できます。

 そして、そのフライを使った「元祖地魚バーガー」もあります。バーガー好きとしては外せません。この日のフライは、太刀魚と地アジということで、アジフライで「元祖地魚バーガー」をお願いします。そしてメインの定食は、刺身とフライの「地アジ膳」か、ストレートに「地アジフライ定食」か悩みに悩んで「地アジフライ定食」に決定。アジフライをご飯とバーガーでいただくという、豪華アジフライ日米フルコース的な横須賀らしいチョイスとなりました。

「さがみ湾」の「地アジフライ定食」。アジフライは半身が3枚。ご飯とみそ汁、漬物という布陣
「さがみ湾」の「地アジフライ定食」。アジフライは半身が3枚。ご飯とみそ汁、漬物という布陣

 待つこと数分、「地アジフライ定食」がやってきました。揚げたてのアジフライは半身が3枚、レタスとタルタル、辛子、レモンが添えてあります。ご飯、みそ汁、漬物がそろって「地アジフライ定食」です。

 いつも通りアジフライからいただきます。大きさは普通ですが厚みがあります。揚げ具合はばっちり、サクサクです。アジの旬ということもあって、身はフワフワです。朝獲れのアジそのものの旨味が効いています。タルタルともソースともよく合います。かなり高得点のアジフライです。油を通すことで美味しくなるフライですが、やはり素材が美味しいことが一番です。

「さがみ湾」の「元祖地魚バーガー」。その日によって獲れた地魚を使う。この日は太刀魚とアジだった
「さがみ湾」の「元祖地魚バーガー」。その日によって獲れた地魚を使う。この日は太刀魚とアジだった

「地アジフライ定食」を完食して、「元祖地魚バーガー」をいただきます。柔らかいパンに挟まれているのは「地アジフライ定食」と同じアジフライ、しかも2枚。かなりボリュームがあります。これで350円って、安すぎではないでしょうか!? ソースが効いて美味しいです。辛子マヨネーズも合いそうだなぁと思っていたら、奥からタルタルが出現。自動的に味変されて最後まで美味しくいただきました。

 ご主人に話を聞くと、下浦漁港の水揚げも仕事にしているので、新鮮な地魚を安く仕入れることができるそうです。三浦の魚市場で仕入れることもあるそうですが、地物の良い魚が揚がらない時は他で仕入れたりはしないという、地魚へのこだわりが強いです。「地魚海鮮丼」や「地魚天丼」を食べに再訪しようと思いながら店を後にしました。

野比海岸と下浦漁港の間にある「北下浦海岸環境施設」。三浦半島と房総半島の両方を見渡せる気持ちの良い公園施設。写真は遠くに三浦海岸を望む
野比海岸と下浦漁港の間にある「北下浦海岸環境施設」。三浦半島と房総半島の両方を見渡せる気持ちの良い公園施設。写真は遠くに三浦海岸を望む

 急坂を降り、国道134号に出て三浦方面に向かいます。この辺りの道路は緩やかな長い坂になっていて、「尻こすり坂通り」という表記がありますが、ハイランドの急坂に比べたらそこまででもない気がする……などと独り言をつぶやきながら到着したのは「北下浦海岸環境施設」です。

 東京湾に面した遊歩道的な場所で、浦賀水道を行き交う大型船や、三浦半島、房総半島の景色を眺めながら、「さがみ湾」の魚が揚がる下浦漁港のすぐ近くで「元祖地魚バーガー」を頬張るのも良さそうだなぁ、などと思いながら帰路につく筆者でした。