バイクを運転する上で足つきの良さは重要視されるポイントのひとつです。では2023年5月現在、シート高740mm以下の原付二種にはどのようなモデルがラインナップしているのでしょうか。海外メーカーの現行ラインナップにも注目してみました。

足つきしやすいと立ちゴケしにくい!シート高740mm以下の原付二種とは

 バイクのカタログには車体のサイズや重量などのほかに、「シート高」の表記がされているのが一般的です。バイクの足つきの良し悪しは、このシート高がひとつの目安になります。特に身長が低いライダーは、バイクを選ぶときにシート高を重要視しているという人も多いかもしれません。

シート高738mmのホンダ「スーパーカブ110」
シート高738mmのホンダ「スーパーカブ110」

 バイクが自分の体格に合わないと、信号待ちや渋滞などで停止するたびにフラフラしてしまい、不安を抱えながら運転しなければなりません。特にバイクは横風に弱いので、強風が吹き荒れる状況や、雨で路面が滑りやすいといった条件が重なると、立ちゴケしてしまう危険性もあります。

 シートにまたがったときに、つま先だけで支えるようだと心もとないので、かかとが浮くくらいでバランスが取れると安心です。シート高700mm台のバイクであれば、比較的足つきしやすい傾向にあるため乗り降りもしやすく、信号待ちでもストレスなく車体を支えることができるでしょう。

 では、現在人気の原付二種のジャンルの中で、シート高700mm台のモデルとしてはどのようなバイクがラインナップしているのでしょうか。

 まずひとつ目の車種は、英国の老舗バイクメーカーASJの「キャドウェル125」。シート高は740mmとなっています。

シート高740mmの ASJ「キャドウェル125」
シート高740mmの ASJ「キャドウェル125」

 セパレートハンドルにロングタンク、カフェシートなど、60年代のカフェレーサースタイルを現代風にアレンジ。125ccとは思えない迫力あるボディながらも116kgと軽量なため、足つきの良さと相まって小柄な女性でも取り回ししやすいのが特徴です。

 また、空冷単気筒OHCエンジンに5速ミッションを搭載し、前後連動式のディスクブレーキの採用で力強い走りと安全性を両立。英国車らしいクラシカルなシルエットと、落ち着いたカラーリングが魅力です。

 ASJ「キャドウェル125」の価格(税込)は、42万9000円。

 ふたつ目の車種は、スペインで小排気量モデルを中心に展開しているレオンアートの「パイルダー125」で、シート高は700mmとなっています。

シート高700mmのレオンアート「パイルダー125」
シート高700mmのレオンアート「パイルダー125」

 片持ちスイングアームに19mmのファットなリアタイヤを履いたクルーザーモデル。全長2390mmに加えて車両重量が188kgもあるので、125ccながらリッタークラスに迫る雄大なボディでインパクトは絶大です。

 前後連動式のディスクブレーキを採用し、フロントはダブルディスク仕様で安全面も万全。パイルダー125は、原付二種でビッグバイクの雰囲気を体感したいライダーにぴったりのモデルといえます。

 レオンアート「パイルダー125」の価格(税込)は、66万9000円。

 3つ目の車種は、韓国のバイクメーカーであるヒョースンが手掛けるクルーザーモデル「GV125S ボバー」で、シート高は710mmとなっています。

シート高710mmのヒョースン「GV125S ボバー」
シート高710mmのヒョースン「GV125S ボバー」

 クラス唯一の水冷V型ツインエンジンに、スチール製のセミダブルクレードルフレームを搭載。全長2080mmの迫力あるボディで、125ccとは思えない堂々とした風格が持ち味です。

 車体重量が165kgと重めながらもシートが低いので、小柄な女性でもしっかりと車体を支えることができます。クラスを超えた質感と独創的なフォルムに加え、本格的なボバースタイルが楽しめるバイクといえるかもしれません。

 ヒョースン「GV125S ボバー」の価格(税込)は、58万3000円 。

 4つ目の車種は、オフロードレースで活躍してきたイタリアのバイクメーカーSWMの「アウトロー125」。シート高は720mmに設定されています。

シート高720mmのSWM「アウトロー125」
シート高720mmのSWM「アウトロー125」

 400ccクラスの迫力ある大柄なボディと、長めのホイールベースでダート走行でも安定した走りを実現。

 また、LEDヘッドライトや倒立フロントフォーク、前後連動ブレーキなどを採用し、クラシカルな佇まいに現代的なアレンジを融合させています。燃料タンクは16.5Lと大きめで、ツーリングでの使い勝手もよさそうです。

SWM「アウトロー125」の価格(税込)は、53万9000円。

 そして5つ目の車種は、日本のビジネスバイクの代表格ホンダの「スーパーカブ110」で、シート高は738mmとなっています。

シート高738mmのホンダ「スーパーカブ110」
シート高738mmのホンダ「スーパーカブ110」

 シリーズ世界生産累計1億台を突破した驚異のベストセラーを誇る原付二種モデル。低いシートにスリムな車体、101kgの軽量ボディで、小柄な女性でも扱いやすく足つき性も抜群です。

 熟成を重ねた4ストローク単気筒エンジンは、すぐれた静粛性と耐久性を発揮し、リッター67km/Lの低燃費を実現しています。左手のクラッチ操作を無くした「自動遠心クラッチ」を採用しているため、AT限定免許でも乗ることができるのも嬉しいポイントです。

 ホンダ「スーパーカブ110」の価格(税込)は、30万2500円。

※ ※ ※

身長に合わないバイクだと、信号待ちのたび不安を抱えることになり楽しさも半減してしまうので、バイク選びの際はカタログのシート高だけでなく、実車にまたがって足つき性を確認することが大切です。

また、身長が低くバイク選びで悩んでいる人は、海外メーカーにも目を向けると、自分の体形にマッチした個性的な愛車に出会えるかもしれません。