MotoGP第11戦カタルーニャGPが、2023年9月1日から3日にかけてスペインのバルセロナ−カタルーニャ・サーキットで行なわれました。中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)は2023年シーズンのなかでもとくに苦しい戦いとなった決勝レースを、15位でゴールしています。
結果が示す、大苦戦のホンダ勢
MotoGP第11戦カタルーニャGPは、苦戦が続くホンダにとってとりわけ苦しい週末となり、それは中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)にとっても同様でした。ホンダにはファクトリーライダーが2人、中上選手を含めてサテライトチームのライダーが2人、合計4人のライダーが所属しています。その全ライダーがことごとく、金曜日のプラクティス(練習走行)から最下位を占めていたのです。予選以降は最高峰クラスで6度のチャンピオンに輝いたエースライダー、マルク・マルケス選手(レプソル・ホンダ・チーム)がやや浮上しましたが、3人のライダーは最下位のポジションを入れ替えているだけのような状況でした。

大きな問題はリアのグリップ不足です。バルセロナ−カタルーニャ・サーキットは長いコーナーを持つレイアウトで、そもそも路面のグリップが低く、以前からリアのグリップ不足に悩み続けているホンダ勢は、そんなカタルーニャ・サーキットの、とくにロングコーナーで苦しみ続けました。
中上選手は金曜日の走行を終えて「想像以上」と表現しています。
「簡単に言うと、ここがシーズンを通していちばん乗れないというか。スピードが上げられないんです。頑張ってもタイムが出ないし、(攻めればリスクがあるので)頑張れないというのもあるんですが……」

結果的に、中上選手、ホンダ勢の状況は日曜日の決勝レースまで変わりませんでした。
中上選手は土曜日のスプリントレースを20位、決勝レースを15位で終えています。決勝レースは完走者が17人で、16位と17位もホンダライダーでした。そしてそのうちの1人は、2020年のチャンピオンです。ホンダがひときわ厳しいレースを強いられたことは、この結果が示す通りでしょう。

決勝レース後、中上選手に金曜日、土曜日から違いはあったのか尋ねると、「ないですね……」と苦しそうにつぶやきました。
「セッティングもアジャスト程度の変更を加えて臨みましたけど、序盤から全くグリップがなかったです。タイヤはほかのホンダ勢とは違うものを選んで、それは間違っていなかったとは思いますが。自分たちが望んでいる順位やスピードからかけ離れ過ぎています。ポイントは獲りましたけど(※15位までのライダーに順次ポイントが付与される)、なかなか厳しいレースでしたね」

「ただ、これも予想はついていました。とても追い上げられるとかそういう感触もなかったし」と言うあたり、もはやひたすら我慢のレースだったのでしょう。そんななかでもしっかりと完走を果たすところが、中上選手の強みです。なにしろ、転倒負傷が相次いだホンダライダーのなかで、中上選手は唯一、2023年シーズン11戦までの全戦にエントリーし続けているライダーなのです。状況改善のために少しでも走行データが必要な今のホンダにとって、その貢献度は大きいと言えます。
次戦は9月8日から10日にかけて、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれる、MotoGP第12戦サンマリノGPとなります。