電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Championship』第7戦カタルーニャ大会が9月1日、2日にスペインのバルセロナ−カタルーニャ・サーキットで行なわれました。MotoEに参戦する唯一の日本人ライダー、大久保光選手はレース1、2ともに13位で終えました。
後方スタートから順位を上げてフィニッシュ
電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Championship』(以下、MotoE)は、電動バイクによって争われる選手権です。2023年シーズンはドゥカティがマシンサプライヤーとなり、MotoEのために開発された電動レーサー「V21L」が供給されています。各大会はMotoGPのヨーロッパ開催グランプリに併催で、1大会2レースが行なわれ、今季は全8戦16レースが予定されています。カタルーニャ大会はシーズン終盤戦の第7戦となります。

唯一の日本人ライダーとしてMotoEに参戦する大久保光選手は、前戦オーストリア大会では得意とするブレーキングを生かして予選で今季ベストグリッドタイである5番手を獲得。レース2では7番手付近を走行して気を吐きました。残念ながら転倒してしまいましたが、感触としては良いものが掴めていたと言います。
オーストリアの流れを汲んで迎えたカタルーニャ大会でしたが、予選Q1でアタックラップ1周目にフロントから転倒。タイムを記録できなかったため、最後尾からレースに臨むことになりました。
「予選、ちょっといきすぎてアタックラップに転倒して、ノータイムになってしまいました。ビリからスタートなんですけど、明日も心折れず、攻めていこうと思います」(大久保選手)

MotoEの予選はMotoGPと同様にQ1、Q2方式が採用されており、プラクティス1、2の総合タイム結果上位8番手のライダーがQ2へダイレクト進出、9番手以下のライダーがQ1からの予選となります。
Q2へダイレクト進出を決めたライダーは、その時点で予選1番手から10番手(※Q1の上位2名がQ2へ加わる)が決まるのです。
方式としてはMotoGPと同じですが、MotoEの予選時間はMotoGPの15分間よりもさらに短く10分間で、MotoGPクラスのようにすぐに乗れるよう準備されたスペアマシンもありません。例え1周目のアタックラップの転倒であったとしても、MotoEにとっての転倒は、より大きなダメージとなる難しさがあります。

レースは各7周で行なわれ、土曜日のレース1では、大久保選手は1周目に14番手に浮上して14位でゴール。前でゴールしたライダーが結果に3秒加算のペナルティを受けたため、大久保選手の結果は13位となりました。
レース2では、じりじりとポジションを上げて13位でゴール。後方からのスタートという難しい状況ではありましたが、2レースともにポジションを上げてフィニッシュしています。

MotoE最終戦サンマリノ大会は、MotoGP第12戦サンマリノGPに併催で、9月8日、9日にイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれます。
■FIM Enel MotoE World Championshipとは……
2019年にスタートした電動バイクによるチャンピオンシップ。2019年から2022年まではWorld Cup(ワールドカップ)として開催されていたが、2023年よりWorld Championship(世界選手権)となった。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリのうち数戦に併催され、2023年シーズンは土曜日に各2レース開催で全8戦16レースが予定されている。バイクはドゥカティ「V21L」のワンメイクで、タイヤはミシュラン。9チーム18名のライダーが参戦し、日本人ライダーとしては大久保光選手がエントリーしている。