バイクを買う目的は人それぞれ。趣味で楽しく乗りたい人もいれば、通勤や買い物用として便利に使いたい人もいるでしょう。趣味で乗る分には気に入ったモデルを買えばいいのですが、便利さを求める場合は注意が必要。バイクの種類によってはほとんど荷物が載せられないモデルもあります。
スクーターのメットインにはどのくらい荷物が入る?
バイクを日常の足として使っている人から絶大な支持を誇るスクータータイプのバイク。アクセルとブレーキだけで簡単に発進、停止ができたり、跨りやすく座り心地の良いシート形状を採用していたりと、普段使いに便利な特長が数多くあります。
また、現在販売されているスクーターは、それらの特長に加えてどれも大きな収納スペースを確保していますが、実際にどのくらいの荷物を入れることができるのでしょうか。

例えば、原付二種クラストップの積載量を誇るヤマハ「アクシスZ」は37.5Lの収納スペースを持ち、2人分のジェットヘルメットを収納することができます。バイクに普段乗っている人や今日集中の人ならイメージがしやすいはずですが、ヘルメットはかなり大きく持ち運びに苦労します。それが2つも入ってしまうことから、いかにアクシスZの収納スペースが大きいかが分かります。
加えて、原付一種のスクーターでさえもMTのバイクと比べて格段に広い収納スペースを確保しています。ホンダ「ダンク」は50ccと小さな排気量ながら23Lの収納スペースを確保しており、A4サイズのファイルや小さなヘルメットを収納することができます。
なお、スクーターの構造上、どうしてもシート下の収納スペースとエンジンが近くなってしまうため、収納スペース内の温度は高くなってしまいます。生物やチルド食品などを入れて長時間走るのは避けた方が良いでしょう。また、エンジンの熱だけでなく、振動も伝わりやすいため、振動に弱いパソコンやカメラを入れることも避けましょう。
知らない人も多い?多くのMTバイクにはメットインがない
スクーターと比べ、よりバイクらしいフォルムが魅力的なMTのバイク。一定数の人が勘違いしていますが、MTバイクのシート下にはほとんど収納スペースがありません。

書類やわずかな工具、ETCがギリギリ入るかどうかのスペースしかなく、日常的に使う荷物はまず入らないでしょう。どうしても荷物を載せたい場合は、荷紐でタンデムシートにくくりつけるなど、ちょっとした工夫が必要になります。

一部のMTバイクはタンクをシート下に配置することで、通常のバイクではタンクとなっている部分を収納スペースにしています。しかしこの構造を使用したモデルの多くは生産終了しており、国内メーカーの現行車はホンダの「NC750X/S」のみとなっています。
ただし、MTのバイクにも収納スペースを後付けで増やすことは可能です。例えばタンデムシートのさらに後ろに荷台を設置し、その上にトップケースまたはリアボックスと呼ばれる収納ボックスを取り付ければ、ある程度の収納スペースを確保することができます。

他にもパニアケースと呼ばれるバイクの左右に取り付けるケースや、専用のシートバッグなどを用意することで便利なバイクとして使うことも可能になります。車体によって使える用品は異なるため、近隣の用品店やディーラーに相談すると良いでしょう。
※ ※ ※
このように、バイクは種類によって積載力に大きな違いがあります。スクーターはシート下に大きな収納を備えていますが、多くのMTのバイクにはわずかな収納スペースしかありません。
積載性はバイクを選ぶにあたってかなり重要なポイントになります。今一度買おうとしているバイクや現在乗っているバイクのポテンシャルを確認してみると良いでしょう。