MotoGP第12戦サンマリノGPが、2023年9月8日から10日にかけてイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれました。MotoGPクラスの決勝レースを、中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)は19位で終えています。
問題は解消されず、19位でフィニッシュ
前戦カタルーニャGPで、シーズンのなかでもひときわ苦しい戦いを強いられたホンダ勢と中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)は、連戦となるサンマリノGPに挑みました。サーキットの路面グリップが低いバルセロナ・カタルーニャ・サーキットに対し、今大会のミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは路面グリップが高いサーキットです。リアのグリップ不足に悩まされている中上選手を含むホンダライダーにとっては、その点で、カタルーニャGPほどの苦戦はしないだろうと思われました。

中上選手は金曜日午前中、ふたつのセッティングを準備しました。ひとつはテストチームがテストして前向きなフィーリングを得られたもの、もうひとつはベースとなるセッティングです。テストチームのセッティングについての中上選手のフィーリングは、「悪くない」というものでした。
「路面のハイグリップに加え、サーキットのレイアウトもあって、リアのグリップに関しては、多少なりともポジティブなフィーリングはありました。後半戦が始まってからずっと抱えている加速部分でスピニングが多くて前に進まない、という感覚はだいぶなくなりました。ただそれは、もともとここのグリップが良いおかげでしょうね。大き過ぎた問題が小さくなった程度です」

しかし今度は、別の問題が噴出しました。路面グリップが良いだけに、直立状態からのブレーキングでリアタイヤがフロントタイヤをプッシュするというのです。スプリントレースではその問題によって、中上選手曰く「予想通り」の厳しいレースとなり、結果は21位でした。
「(日曜日の決勝レースの)半分の距離(13周)でしたけど、結構大変でしたね。リアからフロントへのプッシュがあまりにも強いので、自分が思うようにバイクを止められないのと、止めようとすればするほど、リアからのプッシュが強いので、的確なタイミングでのバンク角やバイクの姿勢がつかめないんです。なので、乗っていても変に疲れる。スプリントは思った以上に疲れましたね。もうちょっとブレーキングでバイクの姿勢を整えられればいいんですけど、初日からそういう傾向があって、改善できていないんです。明日、ブレーキング時のバイクの姿勢を改善することを重点に置いて、改善策を考えたいと思います」

結果的に、ミサノ・サーキットに適応するバイクのバランスを見つけられずにサンマリノGPを終えることになりました。
決勝レースでは中上選手のフィジカルにも腕上がりという問題が発生したこともあり、19位で終えています。

MotoGP第13戦インドGPは、9月22日から24日にかけて、インドのブッダ・インターナショナル・サーキットで行なわれます。