「タイヤの空気圧が季節によって変わる」という都市伝説のような噂を耳にしたことがある人もいるかもしれません。実際、季節によって空気圧が変わることはあるのでしょうか。
都市伝説?それとも…タイヤの空気圧は季節によって変わる?
バイクを安全に運転するためには、定期的な点検・整備が必要不可欠です。特に暑さも和らぐこれからの季節、ツーリングに行くという人はよりしっかりとバイクの手入れをしておきたいものです。
点検項目はいくつかありますが、特に注視しておきたいのがタイヤ周り。特にタイヤの空気圧が適正でないと、バイクに不備が生じるリスクが考えられます。

まずタイヤの空気圧が低すぎる場合は、タイヤがつぶれて通常の接地面以上にタイヤの両端が地面に接地し、タイヤが早く摩耗してしまう危険があります。最悪の場合、タイヤの破裂にもつながりかねません。また、タイヤがたわんでしまい操縦安定性が悪くなる可能性があるだけでなく、燃費も悪くなってしまいます。
ちなみに空気圧が高すぎたまま走行してしまうとタイヤの中央部分の摩擦が多くなってしまい、タイヤの劣化が早くなってしまうかもしれません。加えて振動を吸収することができなくなるため、乗り心地が悪化します。
こういった理由から、空気圧は低くても高くてもよくないことがわかります。タイヤを長持ちさせたいのなら、なるべくこまめに空気圧をチェックして適正値に保つことが重要と言えるでしょう。
しかしタイヤの空気圧は、一年を通して同じように変わるわけではありません。ライダーの中には、「タイヤの空気圧が季節によって変わる」という噂を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
都市伝説のような話のように思えますが、タイヤの空気圧は季節によって変わるのでしょうか。

実際のところ、タイヤの空気圧は夏から秋、冬にかけての気温が下がる時期は低くなり、夏場は上がりやすいといわれています。とはいえ「季節」によって変わるというよりも、「温度」によって空気圧が変化するということです。
これは夏場は気温が高くなることで空気が膨張、つまり空気圧が上がり、一方で冬は気温が下がって空気が収縮するため、空気圧が下がるためです。
寒い時期に走行していると、パンクしたような感覚に陥ってしまうかもしれませんが実際は空気の体積が減っているだけ。つまり空気の質量そのものに変化はありません。
ちなみに関東地方などよりも、冬から春にかけての気温の差が大きい北海道や東北といった寒冷地の方が、空気圧の変化を感じやすいはずです。
なお前述のように、バイクのタイヤの空気圧を正常に保つには指定空気圧を守ることが大切です。指定空気圧はメーカーが設定するものであり、走行中にタイヤの温度上昇に伴って空気圧が変化することを考慮した数値です。

指定空気圧を計るには専用の空気圧計が必要になるため、購入しておくとよいでしょう。ただし空気圧を計るにはタイヤが冷えていなければならないため、長時間走行した場合には多少時間を置く必要があります。
測る際は、まずタイヤのバルブキャップを外した後に空気圧計のノズルを装着してください。きちんと接続できていなければ正確に測ることはできないため、注意が必要です。測定結果を見て、メーカーの指定空気圧と大幅に違った数値が計測されたなら、空気圧を調整しましょう。
空気圧を計るのは面倒でつい忘れがちという人も少なくないかもしれませんが、空気圧を保つことは安全運転の秘訣とも言えます。こまめに検査をして、常に安全運転できるように心がけましょう。
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適正空気圧を保つことは、事故のリスクを減らしてバイクを安全に運転する上で重要なポイントのひとつと言えます。またタイヤを長持ちさせることもできるので、タイヤの空気圧は最低でも月に一度の頻度でチェックしておくとよいでしょう。