MotoGP第20戦バレンシアGPが2023年11月24日から26日にかけて、スペインのリカルド・トルモ・サーキットで行なわれました。中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)は決勝レースを12位でゴールし、2023年シーズン最終戦を終えました。

シーズン全戦を戦い抜き、来シーズンへつなぐ

 2023年シーズンのMotoGPは、第20戦バレンシアGPで最終戦を迎えました。シーズン終盤、とくにサンマリノGP以降、フライアウェイラウンドと呼ばれるヨーロッパを離れてアジア、オーストラリアなどで行なわれるグランプリで、中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)はさらに苦戦を強いられていました。

【MotoGP第20戦バレンシアGP】決勝レースは転倒が相次いだこともあり、中上貴晶選手(#30/LCR Honda IDEMITSU)は12位でゴール
【MotoGP第20戦バレンシアGP】決勝レースは転倒が相次いだこともあり、中上貴晶選手(#30/LCR Honda IDEMITSU)は12位でゴール

 バレンシアGPの木曜日、囲み取材でその苦戦の原因について尋ねると、中上選手は「サーキットによって問題がそれぞれ違うんです。唯一手応えを感じられたブリラム(タイGP)以外は、全く光が見えない」と答えていました。

「乗っていても攻められないし、遅いのに転倒したり。バイクの限界値がつかみきれなかったり、低かったりするところがいちばん(難しい)。バイクとのシンクロ率が合わなくて……」

「簡単に言うと攻められないセッションがずっと続いていて、自分としても歯がゆい問題を抱えていて、それを解決できないままなんです。周りはセッションごとに改善していくのに、自分は足踏み状態で、(ウイークを)終えるときには(周りとの)差がどんどん大きくなっている状態でした。精神的にも、パフォーマンス、ウイークの流れに関しても、セッションやレースで具体的な目標まで持てなかったんです」

「ゆっくり走っているわけじゃない。攻めても結果がついてこない」と、中上選手は複雑そうな表情を浮かべていました。

2023年シーズン最終戦の決勝レースを終えてピットに戻った中上選手を、スタッフたちが拍手で迎えた
2023年シーズン最終戦の決勝レースを終えてピットに戻った中上選手を、スタッフたちが拍手で迎えた

 バレンシアGPでも厳しい戦いは続きました。予選では16番手、スプリントレースではスタートから順位は変わらず16位。決勝レースでは転倒が相次ぎ完走が14人、中上選手は12位でゴールしました。

「転倒者が多い中でなんとかフィニッシュはできましたが、喜べるパフォーマンス、スピードはなかったです。ただ、火曜日のテストに向けて、怪我なくシーズンを終えられたのは良かったところですね」と、中上選手は苦しいレースを振り返っていました。

 2023年は、中上選手ばかりではなくホンダ全体にとって苦しいシーズンだったことは間違いなく、コンストラクターズランキングで、ホンダは最下位の5位。チームランキングでは、ファクトリーチームのレプソル・ホンダ・チームが11チーム中9位、サテライトチームのLCRホンダが10位。ライダーの転倒による負傷欠場も相次ぎました。そんななか、中上選手はホンダ勢で唯一、シーズン全戦を戦い抜いたのでした。

「火曜日に向けてしっかり頭を切り替えます。新しいバイクになるようなので、どういうパフォーマンスになるのか、第一印象がどうなのか、というのは楽しみではありますね」

 中上選手は11月28日にリカルド・トルモ・サーキットで行なわれる公式テストに向けて、そう語っていました。

 2024年シーズンも、中上選手はMotoGPクラスに参戦する唯一の日本人ライダーとして戦います。