MotoGPサンマリノGP取材のために訪れたミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで、パドックをぶらぶらと歩いてみました。

MotoE最終戦の舞台へ、現地に足を運ぶのは3度目

 2023年シーズンのMotoGP第11戦カタルーニャGP(9月初旬)の取材を終えたわたし、伊藤英里(筆者)は、その翌週に行なわれたサンマリノGPの取材へと向かいました。スペインから飛行機で飛び、レンタカーを走らせ、到着したのは、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ(以下、ミサノ・サーキット)です。

マルコ・シモンチェリと出会うミサノ・サーキットのパドック
マルコ・シモンチェリと出会うミサノ・サーキットのパドック

 わたしにとって、ミサノ・サーキットに来るのは2019年、2022年とあわせて3度目です。というのも、サンマリノGPは2019年から始まった電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Championship(※2022年シーズンまではFIM Enel MotoE World Cup)』(以下、MotoE)の最終戦として行なわれることが多かったからです。精力的にMotoEの取材を行なうわたしにとっては、取材必須のグランプリなのです。

 パドックに入ってメディアセンターに向かうと、その階段からマルコ・シモンチェリ選手の顔が見えました。サーキットの名称にも含まれる、マルコ・シモンチェリ選手です。アフロヘアと愛嬌のある表情が印象的だった、イタリア人MotoGPライダー。シモンチェリ選手は、2011年マレーシアGPでのアクシデントによりこの世を去りました。サーキットの名称は、2012年にシモンチェリ選手の功績を称えて改称されたのです。

パドックの中に、サーキットの公式ショップがあった。中ではTシャツなどが売られている
パドックの中に、サーキットの公式ショップがあった。中ではTシャツなどが売られている

 パドックを歩いていると、サーキットの公式ショップがあるのを見つけました。2022年に来たとき、この場所は別の施設として使用されていたと記憶しているので、おそらく新しくできたのでしょう。中に入ってみると、こじんまりとしたショップの中でTシャツやキーホルダーなどが売られていました。

ホスピタリティとは、チームスタッフやライダーが食事をしたり、打ち合わせをしたり、ゲストを迎えたりするのに使われる、移動式の建物
ホスピタリティとは、チームスタッフやライダーが食事をしたり、打ち合わせをしたり、ゲストを迎えたりするのに使われる、移動式の建物

 パドックには、ホスピタリティと呼ばれる、チームの施設が並ぶ一角があります。こちらは各MotoGPクラスのホスピタリティが集まるエリア。さすがに最高峰クラスのホスピタリティは豪華で巨大です。こうして眺めていると、未来感のある街のよう。レースがある週末は、パドックで食事をして、休憩をして、仕事をするわけですから、「街」と感じたのも、あながち間違いではないのかも……。

Moto2チーム、マークVDSレーシング・チームのホスピタリティ
Moto2チーム、マークVDSレーシング・チームのホスピタリティ

 Moto2、Moto3クラスのホスピタリティは、少しコンパクトになります。といっても、中で過ごすには十分なスペースがあります。以前、インタビューのために中に入ったチームのホスピタリティは、オープンテラスのレストランのようでした。見ているだけでもわくわくするくらい、どのホスピタリティも個性があって、おしゃれで格好いいんです。

「Eパドック」は今年から2階建てのピットになった
「Eパドック」は今年から2階建てのピットになった

 サンマリノGPでは、今年もMotoEの最終戦サンマリノ大会が併催されました。

 MotoEのピットは「Eパドック」というエリアに集められていて、ライダーは走行のたびにEパドックからコースに出ていき、終わると戻ってきます。そして、Eパドックでマシンの整備、次の走行に備えてバッテリーへの充電が行なわれるのです。

 今年はマッテア・カサデイ選手がMotoEチャンピオンを獲得しました。土曜日のレースが終わり、チャンピオン会見が行なわれたあとにEパドックを覗くと、カサデイ選手のピットはチームスタッフや関係者でいっぱいで、チャンピオン獲得のお祝いムードに包まれていました。

エントランスを入った風景。手前の「MotoGP」ロゴはご覧のとおり、フォトスポット。奥にドゥカティのホスピタリティがあり、正面奥にピットやメディアセンターが入る建物がある
エントランスを入った風景。手前の「MotoGP」ロゴはご覧のとおり、フォトスポット。奥にドゥカティのホスピタリティがあり、正面奥にピットやメディアセンターが入る建物がある

 サンマリノGP以降、MotoGPはインドを皮切りに、日本を含むアジア、オーストラリア、カタールでのレースを経て、最終戦のバレンシアでヨーロッパに戻ります。トレーラーで移動するこうしたMotoGPのパドックの光景は、ヨーロッパのグランプリならではのものです。

 そうしてこのとき、ふと、「この光景も11月末まで見られなくなるのだなあ」と気が付きます。少しだけ、不思議な心持ちになるのでした。