レーシングライダーの石塚健選手が試乗した、BMW Motorrad「R nineT Pure」の乗り味をレポートしてくれました。

初体験のボクサーエンジンにドキドキ

 皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。

 今回はBMW Motorradのラインナップでも人気の、「R nineT Pure」に試乗してきたので、インプレしていきたいと思います。

 まず、R nineT Pureはどんなバイクかと言うと、R nineTを中心としたBMW Motorradヘリテイジシリーズのラインナップに2017年から加わったモデルです。

 排気量は1169cc、空油冷の水平対向2気筒エンジンを搭載。これは、ボクサーツインと呼ばれているエンジンで、見た目も横に張り出ています。

 さらに空油冷エンジンと、結構独特。個人的にあまり聞き馴染みがなかったのですが、R nineTシリーズに搭載されている、シリンダーヘッド内にエンジンオイル冷却装置を持つエンジンの事だそう。

 名前の通り、無駄のない極めてピュアな形で表現されたクラシックなデザインが、スタイリッシュにまとまっていてクールな1台となっています。

BMW Motorrad「R nineT Pure」とレーシングライダーの石塚健選手
BMW Motorrad「R nineT Pure」とレーシングライダーの石塚健選手

 それでは、大事な足つき性とポジションをチェックしていきたいと思います。

 シート高は775㎜という事でかなり低めなので、身長165㎝の僕で両足のかかとまでほぼ地面に着きますし、膝が曲げられるほどの余裕すらあり、大型車とは思えないほど足つきは良好でした。

 ハンドル幅は割と広めですが、跨ってしまえばしっくりくるポジション。丸みのあるタンク形状が、下半身でホールドしやすくて良い感じ。そして重心が低いので、引き起こしは当然軽くはありませんが、これも跨ってしまえばすごく安定感がありました。

BMW Motorrad「R nineT Pure」の足着き。身長165㎝の僕で両足のかかとまでほぼ地面に着きます
BMW Motorrad「R nineT Pure」の足着き。身長165㎝の僕で両足のかかとまでほぼ地面に着きます

 それではエンジンを始動させ走行していきます。

 排気音は思っていたよりも静かめで、低めの心地よいサウンドを奏でます。アイドリング時の振動は割と強めですが、音と合わせて、THEオートバイという印象でした。

 排気音が静かめな理由は、ユーロ5に対応させたこと。アクセルを捻ると車体が横に身震いしながら走りだし、「ん?なにコレ??」と、最初は若干戸惑いましたが、これはボクサーエンジンならではの特性。独特で癖のある鼓動感がとても面白かったです。

 この横方向へ身震いする話は、BMWの担当者から出発前に聞いていたのですが、まさかこんなに分かりやすく感じるとは思わず、初体験だったので新鮮でした。

BMW Motorrad「R nineT Pure」のボクサーエンジンならではの独特な鼓動感を感じながら走行をする石塚健選手
BMW Motorrad「R nineT Pure」のボクサーエンジンならではの独特な鼓動感を感じながら走行をする石塚健選手

 そして力強すぎるトルク感にビックリ。クラッチを繋いだ途端の路面を蹴り出す力は、いわゆる「トルクで走らせるバイク」だなという感じ。

 スロットル操作はレスポンスが良い印象で、メリハリの利いたライディングを楽しめます。一定の速度を保ちながらの走行、特に低速でのバイクの安定性は、直線はもちろんコーナーでも抜群でした。

 ちなみに良い部分もあれば悪い部分も、という訳ではないにしろ唯一心配な部分があるとすれば、やはりボクサーエンジンであることで、横幅が広くすり抜けなどの細い道を走るのは厳しいなぁというところ。

 もし、すり抜けをせざるを得ない際には、ガードレールやクルマのボディに当てて転倒するなどの事故を起こさないよう、注意してくださいね!

 そんなR nineT Pureの価格(消費税込)は205万円。ボクサーツインならではのエンジンフィーリングを楽しんだり、オシャレに街中をゆったりと流すのにも、最高な1台です。