一般道や高速道路の制限速度は、1キロでも超過すると違反になってしまうのでしょうか。また、違反と見なされた場合はただちに取り締まられてしまうのでしょうか。

「15キロまではセーフ」この噂は本当なの?統計元にひもとく

 全ての自動車が安全に通行するにあたって、なくてはならないのが速度制限。安全に走行できる速度を大幅に上回って走行する車両は、自身が単独事故を起こしやすいだけでなく、他の自動車を巻き込んでしまう恐れもあり、非常に危険です。

 そのため、全国の警察は自動速度取締機やパトカーによる追尾等によって速度違反を厳しく取り締まっています。

全国の警察は自動速度取締機やパトカーによる追尾等によって速度違反を厳しく取り締まっている
全国の警察は自動速度取締機やパトカーによる追尾等によって速度違反を厳しく取り締まっている

 ただし、誰もが法定最高速度を守って運転しているかと言われると、現状はそうではありません。いままで法定最高速度を一度も破ったことのない人は、ほとんどいないでしょう。

 誰しも、知らず知らずのうちに数km/h程度の速度超過をしてしまうことはあります。では、ほんの少しだけ、例えば1km/hだけでも法定最高速度を超えてしまった場合、違反になるのでしょうか。

 道路交通法の第二十二条には、

「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない」

 とあり、何km/hまでの超過は許される、というような文言は見当たりません。つまり、制限速度を1km/hでも超えてしまった場合、厳密には道路交通法に違反したことになります。

 ただし、巷では、「15キロオーバーまでは捕まらない」「10キロオーバーすると捕まる」などのさまざまな噂が飛び交っています。では、実際の取り締まり事情はどのようになっているのでしょうか。

 結論から言えば、「何キロオーバーまでなら捕まらない」という噂は正確な情報ではありません。たとえ5km/hオーバーでも、取り締まられてしまう可能性がない訳ではないのです。

 ただし、こうした噂が立った背景事情を見てみると、噂が完全なでたらめであるとは言えないことが分かります。

 警察庁の公表する統計「令和4年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」を見てみると、最高速度違反の取り締まり件数は年間99万2260件。速度別の内訳も公開されており、15km/h未満の超過での取り締まり件数はわずか130件となっています。

最高速度違反の取り締まり件数は年間99万2260件
最高速度違反の取り締まり件数は年間99万2260件

 仮に、実際に速度違反をしている全てのライダー、ドライバーの数を数えることができた場合、最も多いのは15km/h未満の超過でしょう。法定最高速度より少し速い流れに乗って走っているバイク、クルマは頻繁に目にしますが、法定最高速度を大幅に超えて飛ばすバイクやクルマはなかなか目にしません。

 違反している人数が多いにも関わらず、取り締まられている件数が少ないということは、取り締まられる可能性が非常に低いことを意味します。

 こうした取り締まり事情があるからこそ「15キロオーバーまでは捕まらない」という噂が立ったのだと言えるでしょう。

 なお、現場の警察には裁量権があるため、法律違反しているクルマを全て取り締まらなければいけない訳ではありません。数km/h程度の速度超過の場合、危険に繋がるケースは少ないため見逃されるケースが多いようです。

 しかし、統計の数値に現れている通り、5km/h未満の速度超過でも年間100件以上の取り締まり件数があります。確実に捕まらないという訳ではないので、慢心して日常的にスピード違反をするようなことは避け、必ず安全なスピードで走行することを心がけましょう。

※ ※ ※

 法定最高速度は1km/hでも超過してしまうと、道路交通法違反となります。ただし、実際に取り締まりを受けるかはまた別の話。現場では15km/h未満の軽微な速度超過は見逃されやすい傾向にあるようです。

 ただし、検挙されている例も年間100件以上あるため、好き放題速度超過してもいいという訳ではありません。必ず安全に運転できる速度で走行することを心がけましょう。