2024年2月6日から8日まで、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行なわれたMotoGP公式テストでは、各メーカーが新しい空力デバイスをテストしていました。さまざまな形状の空力デバイスを見ていきましょう。

ますます進化する、MotoGPマシンの空力デバイス

 例年2月上旬に行なわれるMotoGPのセパン公式テストは、シーズン開幕前の重要なテストです。3月から11月にかけてシーズンを戦うマシンのために、各メーカーが精力的にテストを行ない、パーツを選び、確認し、マシンを煮詰めていきます。

ホンダがテストしていたテールカウルの空力デバイス。形状違いのものをテストしたり、外したりしていた
ホンダがテストしていたテールカウルの空力デバイス。形状違いのものをテストしたり、外したりしていた

 今季のテストでも、様々な形状の空力デバイスが投入されていました。モーターサイクルのロードレースであるMotoGPの世界でも、いまやエアロダイナミクスは重要な要素です。そんな空力デバイスの開発が、ますます熱を帯びているのです。

 とくに、サイドカウルやテールカウルの空力デバイスについて多く変化が見られたことが、2024年セパン公式テストにおけるひとつの特徴です。

ドゥカティのサイド部分の空力デバイスは、張り出す形になっている下部にダクトが見られる
ドゥカティのサイド部分の空力デバイスは、張り出す形になっている下部にダクトが見られる

 もちろん、サイド、テールカウルの空力デバイスについてはすでに各メーカーが取り入れていたところですが、様々な形状をテストしていることから、その重要度が増していることが窺えました。

 アプリリアは、2日目にテールカウルにアンテナのような測定器をつけてテストを行ないました。アプリリア・レーシングのテクニカル・ディレクター、ロマーノ・アルベシアーノは、公式テスト2日目の囲み取材で、こう説明していました。

セパン公式テストで使用した測定器を持つロマーノ・アルベシアーノ
セパン公式テストで使用した測定器を持つロマーノ・アルベシアーノ

「我々はコンピューターのプログラムを使って、エアロダイナミクス・フィールド、つまりバイクとライダー周りの空気の流れをシミュレーションして、バイクを設計しました。そのため、コンピューターがライダーやバイクの周りの空気の流れを予測しています。しかし、全ての計算は、実験によって確認されなければなりません。これは、コンピューターのプログラムを確かめる実験のひとつです」

 空力デバイスの重要度と開発への熱が増すにつれ、その開発「方法」についても様々な試みが行なわれているのです。

 また、アルベシアーノは「ウイングやスイングアームなど、可能な組み合わせは年々増えています。まさに、パズルのようになってきました」と、開発の難しさを思わせるように苦笑いしていました。

ヤマハは比較的小さめの空力デバイスを組み合わせている印象。ラジエーターの横にダクト形状のものが見られる
ヤマハは比較的小さめの空力デバイスを組み合わせている印象。ラジエーターの横にダクト形状のものが見られる

 ますます進化する空力デバイスと、MotoGPマシンのエアロダイナミクス。MotoGPマシンの外観も、今後、さらに変化していくことになりそうです。

 MotoGPの2024年シーズンは、2月19日、20日のカタールで行なわれる公式テストを経て、3月8日から10日、開幕戦カタールGPを迎えます。