MotoGP第2戦ポルトガルGPが、2024年3月22日から24日にかけて、ポルトガルのアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行なわれました。今大会はMotoGPクラスに参戦する唯一の日本人ライダー、中上貴晶選手(ホンダ)にとってとりわけ苦しい週末となり、スプリントを17位、決勝レースを14位で終えました。

グリッド最後尾に並ぶホンダ勢

 MotoGP第2戦となるポルトガルGPは、中上貴晶選手(イデミツ・ホンダLCR)、そしてホンダのライダーたちにとって、非常に厳しい週末となりました。予選で全22グリッド中、19番手から22番手をホンダの4名のライダーが占めたことが、いかに苦戦していたのかを物語るひとつの指標となるでしょう。

【MotoGP第2戦ポルトガルGP】中上貴晶選手(#30/IDEMITSU Honda LCR)
【MotoGP第2戦ポルトガルGP】中上貴晶選手(#30/IDEMITSU Honda LCR)

 初日を終えた中上選手は「バイクのフィーリングが受け入れがたいものでした」と語っていたほどです。問題はリアのグリップと、リアの不安定感にありました。

「バイクがかちっと、タイヤが路面に貼り付く感じがない。ずっと、うなぎみたいにぐにゅぐにゅしていて、真っ直ぐに走らないんです。ふらつきながら走ってるような状態です」

 3名のホンダライダー、ファクトリーライダーのジョアン・ミル選手、ルカ・マリーニ選手、そして中上選手のチームメイトであるヨハン・ザルコ選手も、同様の問題を抱えていると口をそろえました。ホンダ勢が予選で最下位に沈んだのは、そうした理由があったのです。

アウトドローモ・インターナショナル・アルガルベはアップダウンの激しいサーキット
アウトドローモ・インターナショナル・アルガルベはアップダウンの激しいサーキット

 リアのグリップやスピニングについては、2023年にも存在していた問題でした。

「ざっくり言えば、問題は変わっていないです。今の問題は、まだリアのグリップです。それはエンジニアたちも分かっているんだけど、解決の糸口が見えないんです。結局同じ壁に当たって、限界が来てしまいます。乗っていても良いフィーリングじゃないですし、攻めることができていないんです」

「今週に限っては特に、すごく難しいですね。遅いけれど壁にぶち当たってる感じ。頑張って開けるとさらにスピンしてバイクが振られて、結局前に進まないんです。前に進む力がほかのメーカーに比べて非常に劣っています」

決勝レースは21番手からスタート
決勝レースは21番手からスタート

 中上選手によれば、今回のポルトガルGPではリアグリップ不足やスピニングだけではなく、リアの不安定感があると言うのです。

「ここに限っては、ブレーキングからリアが不安定でいまいちつかみとれないんです。コーナーに入っていくとき、どういう状況になっていて、これだけ寝かせるとか、これだけのスピードで入っていけるという計算ができないんですよ。(シーズン前の公式テストが行なわれた)セパン、(開幕戦の)カタールはもうちょっと情報があったし、もうちょっと攻められました。それが無いので中途半端なんです」

 ライダーはバイクからの情報を細やかにすくいとり、理解しながら限界の境界線を走っています。感覚が伝わってこないということがどれだけ困難な状況であるか、想像に難くないでしょう。

ポルトガルGPは中上選手に限らずホンダにとって、週末を通じて改善が見られない難しいレースウイークになった
ポルトガルGPは中上選手に限らずホンダにとって、週末を通じて改善が見られない難しいレースウイークになった

 日曜日の決勝レースでは、リアグリップ改善を目的にセッティングを変更し、短いスイングアームを採用して挑みました。ただ、期待した改善は見られなかったということです。苦しいレースだったことは変わらなかったものの、コンスタントに走り切り、ポイント圏内の14位でゴールしました。

「最後尾を走っていたところから14位まで上がりました。テキサスに向けて時間はちょっと空きますけど、バイクに何かしら改善が見られることを願いつつ、プッシュするのみです」

 第3戦アメリカズGPは、4月12日から14日、アメリカのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行なわれます。