神奈川県藤沢市指定史跡の「大庭城(おおばじょう)」にバイクでやってきました。2021年に指定史跡として登録されたこの城は、現在は城址公園として市民の憩いの場となっていました。
かつての防御施設は、現代人の憩いの公園に
軽くツーリングがてら、バイクで神奈川県の城跡を巡っていると、その多くがひとつのパターンに当てはまることに気づきます。それは太田道灌(おおたどうかん)が築城し、小田原北条氏が改修、そして豊臣秀吉の小田原攻めにより開城・廃城というものです。

北条による設計の緻密さ、雄大さは、今まで訪れた数々の関東の山城を見ても分かりますが、今回訪れた「大庭城(おおばじょう)」にも見事な空堀(からぼり)が残されていました。かつての城は「大庭城址公園」として整備されています。
バイクを駐車場に移動して、歩いて公園内を探索します。公園までの入口両脇には見事な石垣があります。不揃いの石を巧みに積み重ね、それなりに経年を感じさせる佇まいから、実際には違いますが、まるで戦国時代の「野面積み(のづらづみ)」のようで少しワクワクさせてくれます。
野面積みとは、自然石を巧みに積み重ねた技法による石垣ですが、「大庭城」は天守閣のない「土の城」だったようです。
東に引地川、西に小糸川が流れており、滑りやすい関東ローム層の土を使った土塁などはまさに天然の要害で、この地域の特色を活かした知恵が詰まっているようです。
それにしてもよく再現できた石垣だなあと感心しながらスロープを登っていくと、大きな広場に出ました。散歩する老夫婦や犬を連れた人の姿がチラホラと見えるのどかな風景ですが、これが城だったと考えると、相当な規模だったことが想像できます。

「掘立柱(ほったてばしら)建物」の跡が残されており、「発掘調査をしなければこの建物の役割が分からない」と解説板には書かれていましたが、いずれにしても居館跡からその姿を脳内で3D形成すると興奮します。
そして見事な空堀も残っています。深く抉った水のない堀と、土が盛られた土塁による防御は城のテッパンとも言える防御機構で、堀の内側、つまり公園内には美しいバラ園や花の広場があり、ぐるっと空堀が囲んで防御しているわけです。時空を超えた空間のような、ちょっと不思議な感覚でした。
一方、南側の入口は人影も少なく急な葛折りとなっており、一段と城らしさを感じられるエリアでした。見ると堀を断ち切ったような箇所があり、解説版などはありませんでしたが、敵の侵入を防ぐために尾根を断ち切った「堀切(ほりきり)」のような形をしていました。そんな発見にも興奮する城跡巡りとなりました。


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