駅から商店街に続く通りを中心に新しいお店がオープンし、活気がある広島県尾道市の市街地。

しかし、駅周辺以外に注目してほしいスポットが尾道市内に存在します。

それが、向島町

向島町のなかでも、尾道渡船の乗り場がある兼吉地区は、大きなスーパーマーケットやドラッグストアがあることから、生活しやすい地区として移住者に注目されているエリアです。

しかし、かつてメインストリートとして栄えた商店街跡は現在では人通りが少なく、昭和のレトロ感あふれる町並みになっています。

昔の兼吉の活気を知った移住者の安藤未来(あんどう みく)さんは、空き店舗となっていた堺井食料品店で、同じく移住者の新間ミサ(しんま みさ)さんと協力しイベントを企画しました。

たくさんの人が行き交っていた商店街。

商店街だった通りに点在する空き店舗を有効活用して、もう一度兼吉に明かりが灯せないか…。

その気持ちを具現化した第一歩が「向島・かねよしのガレージセール」です。

企画から準備、そして知り合いのお店を巻き込んでのスタンプラリー実施など、イベントは短期決戦型、怒涛(どとう)の展開に。

同時に向島町川尻で開催され、スタンプラリーのスポットになった移住者夫婦によるOnomichi Lo-Fiプレゼンツ古民家の残り物もっていってくだ祭(さい)」のようすをレポートします。

向島・かねよしのガレージセールは手作りだからこそのあたたかさ

向島・かねよしのガレージセールのチラシ

向島町兼吉の尾道渡船は、NHK連続テレビ小説「てっぱん」で、瀧本美織(たきもと みおり)演じる村上あかりが利用している渡船として登場していたロケ地です。

昭和40年代までは尾道渡船の乗り場から、あんぱんやネジパンで有名な、大正5年創業の住田製パン所がある道路のあたりには数多くの商店が立ち並び、活気があったそう。

大勢の人が尾道渡船に向かって歩いている当時の商店街の写真を見ると、昭和の時代の華やかさがわかります。

…令和の兼吉のために何かをしたい。

その思いをのせて、2022年7月3日(日)の午前9時からスタートした「向島・かねよしのガレージセール」。

向島・かねよしのガレージセールのようす

このイベントの共同主催者である安藤さん・新間さんは兼吉地区有志としてガレージセールに出店。

安藤さんは夫婦で1年半ほど前に尾道に移住してきました。

移住してまもなく、備後とことこに参加してくれた尾道在住の市民ライターです。

新間さんは、家族で1年ほど前に尾道に移住してきた漫画家・イラストレーター。

向島・かねよしのガレージセールのチラシは新間さんがデザインしました。

ガレージセールでは、中古家電、女児服、フェルト手作り小物、ハンドメイドアクセサリー、雑貨などが販売されています。

向島・かねよしのガレージセールの出品物

お弁当のフェルト作品がかわいい

向島・かねよしのガレージセールのフェルトのお弁当

ガレージセールをのぞくと目をひくのはお弁当。

「えっお弁当?」

よく見るとフェルトで作られた作品でした。

フェルトで作られた作品とハンドメイドアクセサリーを販売していたのは、かまもん おべんToyの釜本ひろみ(かまもと ひろみ)さん。

向島・かねよしのガレージセールのフェルトのお弁当おべんToy

お弁当だけでなく、たこ焼きなどもフェルトで作られていました。

なんともかわいらしい。

向島・かねよしのガレージセールのフェルトのお弁当

「どうしてフェルトでお弁当を作ろうと思ったんですか?」の問いに、釜本さんは

「どうしてなんでしょうね、食べるのが好きだからでしょうか(笑)」とのこと。

向島・かねよしのガレージセールのフェルトのお弁当

釜本さんがフェルトの作品を作り始めたのは4年前。

それまでは、まったくフェルトに興味がなかったのが、今では平日にも仕事が終わってから作品作りに没頭しているそうです。

子ども服や家電に無料コーナーもあり

向島・かねよしのガレージセールのフェルトのお弁当の子ども服

かわいい子ども服の販売。

100円から500円とリーズナブル。

家電はサーキュレーターやカラオケセットなどが売られていましたよ。

堺井食料品店の堺井さん提供の無料コーナーもありました。

向島・かねよしのガレージセールの無料コーナー

ちょっと気になるアルコールランプがあったのでゲット。

子どもの顔がついているんです。それも2つ!

ちょっとシュールなランプ。心(しん)は新しいものでした。

向島・かねよしのガレージセールのアルコールランプ

こんな掘り出し物が並んでいます。

向島・かねよしのガレージセールの出品物

文庫本まで売られていましたよ。

向島・かねよしのガレージセールの出品物

スタンプラリーカードもゲットです。

向島・かねよしのガレージセールのスタンプラリー

知り合い&チラシを見たお客さんが絶え間なく

向島・かねよしのガレージセールの店頭

安藤さん、新間さんは人通りも少なくなった兼吉の商店街の空き店舗でのイベントに、本当にお客さんが来てくれるのだろうか?と不安だったそうです。

でも、オープンしてみると知り合いはもちろんのこと、チラシを見てやってきたお客さんも多く、小さなガレージセールはにぎやか。

子ども連れのお客さんもいて、軒先で話をしているようすは井戸端会議のよう。

お客さんと話をしている安藤さん、新間さん、釜本さんはとても楽しそうでした。

向島・かねよしのガレージセールの店頭

年季を感じる緑に白字と黒字の堺井食料品店」が目印になる、兼吉地区の新しい小さなイベントスポットになりそうな気がします。

「次回以降、ほかの空き店舗の利用も目指していきたいです」と新間さんは語ってくれました。

いったいここは何?古民家の残り物もっていってくだ祭

古民家の残り物もっていってくだ祭の看板

スタンプラリー先のイベントとして、向島町川尻で7月3日(日)の午前10時からスタートしたのがOnomichi Lo-Fi プレゼンツ「古民家の残り物もっていってくだ祭」。

主催は、Onomichi Lo-Fi の若い夫婦。

安藤さんと同時期に尾道にやってきた移住者の家族です。

古民家の残り物もっていってくだ祭」は、築100年をこえている古民家にあった家具や農機具や雑貨や服や食器などを、無料で持って帰ってくださいというイベントなのでした。

向かうぞ向島町川尻…古民家はどこ?

古民家の残り物もっていってくだ祭のチラシ

向島・かねよしのガレージセールでもらった「古民家の残り物もっていってくだ祭」のチラシを頼りに、兼吉地区から川尻に車で向かいます。

おおらかな地図に翻弄され1回素通り(笑)
Uターンしてやっと見つけました。

庭にある農機具や木箱はインパクト大

古民家の残り物もっていってくだ祭の農具

「古民家の残り物もっていってくだ祭」の会場になっている古民家に足を踏み入れると、庭の農機具や古道具が出迎えてくれます。

古民家の残り物もっていってくだ祭の道具

どれも年代物。

庭で道具を整理していたOnomichi Lo-Fi 新井さんによると、活動の拠点として念願の古民家を手に入れたけれど、家のなかを片付けなければならない状態だったので、古民家+蔵の残り物を大解放しようと企画したそう。

古民家の中にはお宝?がいっぱい

古民家の残り物もっていってくだ祭の本コーナー

古民家のなかには、所狭しと並べられたレトロな品物でいっぱい。

部屋の一画には書籍コーナーがありました。

「さてと、ゆっくりと宝探しをするか」と思ったところに、冷たいお茶のサービスが。

朝からとても蒸し暑く汗だくだったので、ありがたかったです。

お茶をいただいて、お宝探しのスタート!

古民家の残り物もっていってくだ祭の品物

時代を感じさせるソロバンや、何に使うのか見当がつかないものまでいっしょに箱に入っています。

古民家の残り物もっていってくだ祭の品物

ローソクにマッチ。

防災用としてゲットすれば「備えあれば憂いなし」です。

写真関連の冊子やカメラの説明書が複数あったので、家主は写真が趣味だったのかもしれませんね。

古民家の残り物もっていってくだ祭の品物

タンスも持ち帰りOKです。

古民家の残り物もっていってくだ祭の品物

電話の受話器らしきものにちょっと惹かれます。

古民家の残り物もっていってくだ祭の品物

ザ・ベンチャーズ(The Ventures)の曲が録音されているのでしょうか。

もしかしてファンなら垂涎モノ?

古民家の残り物もっていってくだ祭の品物の古いテープ

食器類もたくさん並べられていました。

古民家の残り物もっていってくだ祭の品物のお皿

▼筆者がゲットしたものはこれです!

古民家の残り物もっていってくだ祭でいただいたもの

右下の布袋さんはホコリにまみれていますが、きれいにしてあげれば喜ばれるはず。

来場者は大きな荷物を抱えて古民家を出る

車いっぱいに荷物を詰め込んで帰る親子連れや、両手にいろいろなものを抱えて古民家をあとにする女性の人たちなど、「古民家の残り物もっていってくだ祭」は、比較的若い層にハマっている気がしました。

レトロなものが欲しい人の手に渡ったあと、この古民家が、Onomichi Lo-Fi の活動拠点としてどのように変身するのか楽しみです。

向島町で創業99年の宮本本店もスタンプラリーに協力

宮本本店の看板

向島・かねよしのガレージセールの会場から歩いて数分の場所にある創業99年の有限会社宮本本店。

土木建築資材・金物・工具などを販売している宮本本店も、7月3日に「宮本本店 お宝市」を開催していました。

兼吉地区有志の安藤さんとは、安藤さんが向島に移住してすぐに知り合ったそうです。

宮本本店も、今回の向島掘り出し物市スタンプラリーのコラボレーションイベントとして参加です。

宮本本店の入り口

宮本本店の店内にお邪魔しました。

宮本本店の入り口

「宮本本店 お宝市」は、木材販売コーナー・ご自由にどうぞコーナー・雑貨コーナーなどがあり、お客さんが宝物を探していました。

兼吉で操業していた「向島紡績」工場の赤レンガの壁として使われていた100年以上前のアンティークレンガが、雑貨コーナーで販売されています。

味わい深いんですね、赤レンガ。

買うか買わないか…悩んだのですが、レンガ1個でもけっこうな重さだったので今回は断念です。

宮本本店では、小さな「有難うございました メモ帳」を購入。

宮本本店の入り口で購入したもの

宮本本店 かわら版ももらいました。手書きってところが新鮮。

「かえる印のナチュラル蚊取り線香」気になります。

向島掘り出し物市スタンプラリーのご褒美はプチビール

向島掘り出し物市スタンプラリー

向島掘り出し物市スタンプラリーで3つスタンプを集めたら、すてきなプレゼントがもらえるんです。

そのプレゼントは、尾道本通り商店街にあるBeer Bar a clue(ビアバークルー)のプチビール!

Beer Bar a clueも3イベント合同企画に協力しています。

筆者もスタンプを3つ集めたので、プチビールがゲットできるかも。

有効期間は、2022年7月4日から7月10日までで先着20名なので早く行かないと(笑)

おわりに

向島・かねよしのガレージセールの出品物

尾道市向島町兼吉地区商店街跡を、少しでもにぎわう通りにできないかという思いから企画がスタートした「向島・かねよしのガレージセール」。

尾道に移住してきた兼吉地区有志の「明かりを灯したい!」に、向島町で歴史を刻んでいる創業99年の宮本本店が賛同。

たまたま同じ7月3日にイベントを企画していた尾道移住者のOnomichi Lo-Fiも加わりました。

小さなガレージセールが作った小さな輪は、向島町の老舗のお店を輪に加え、さらに尾道の商店街に明かりを灯し続けていきたいと考えるビールバーがつながり、輪は大きく成長しています。

この輪は今後も広がり続け、第2回、第3回の「向島・かねよしのガレージセール」が、二重三重にも輪がかさなるおおきなイベントになってほしいなあと思いながら、尾道大橋をあとにしました。

著者:ニシヤマ