福山バットの料理長・喜多村 陽一さんへのインタビュー

福山バット 喜多村陽一さん
福山バット 喜多村陽一さん

定番のメニューからオリジナルのメニューまで、リーズナブルでおいしいメニューがそろう福山バット

料理長・喜多村陽一(きたむら よういち)さんに開業の経緯や店のこだわり、今後の展望などの話を聞きました。

福山の中心部を盛り上げたいという思いで出店

福山バット:バットボール

──福山バットの開業の経緯を教えてほしい。

喜多村(敬称略)──

福山バットは株式会社 F-crew(エフ クルー)という会社が運営しています。

F-crewはもともと、焼肉店孫悟空」がメインでした。

店舗は郊外中心だったので、福山駅前・福山中心部に出店して街を盛り上げたいという思いが会社にはあったんです。

そして2018年(平成30年)にまず焼肉店を中心部に出し、翌2019年(令和元年)8月に伏見町に福山バットをオープンしました。

ちょうど伏見町は新たな店がドンドン生まれていたときです。

当店はリノベーション・スクールには関わっていませんが、当店もほかのお店とともに伏見町を盛り上げていこうとがんばっています。

福山バット:看板

──店名の由来は。

喜多村──

福山バットという店名は、「福山」という地名の由来からいただきました

福山中心部を盛り上げるために出した店ですので、福山にゆかりのある名前にしたかったからです。

福山城ができる前、福山城の本丸がある場所は「蝙蝠山(こうもりやま)」と呼ばれる丘でした。

福山城を建てた水野勝成は、蝙蝠山の「蝠」の字が「福」に似ていて縁起がいいとし、「福山城」という城の名と「福山」という城下町の名が生まれたといわれています。

そこで蝙蝠(コウモリ)を意味する英単語「BAT(バット)」を店名に採用しました。

また当店は、ネオ大衆酒場という業態です。

懐かしさ・ノスタルジーと新しさ・珍しさも感じる業態ですので、名前も同じようなイメージにしたいと思っていました。

「福山バット」という名前は、ありそうでない、古そうで新しいイメージかなと思います。

半熟玉子と食べるラー油とマヨネーズのマリアージュ「スパイシー半熟たまご」(418円)
半熟玉子と食べるラー油とマヨネーズのマリアージュ「スパイシー半熟たまご」(418円)

──ネオ大衆酒場という形態にした理由は。

喜多村──

大衆酒場は息の長い店が多いんです。

東京では昔ながらの懐かしい大衆酒場に、新しい要素をもたせたネオ大衆酒場が多くなっています。

福山中心部にはネオ大衆酒場はまだ少数ですので、福山にはネオ大衆酒場が定着する余地があると思いました。

当店はスマートフォンで注文するスタイルですが、これはコロナ禍だからやったのではなく、開店時からやっていたシステム。

このような新しいシステムは、今後も取り入れていきたいですね。

料理長はフランス料理の道で活躍した実力派

福山バット:喜多村陽一 店長兼料理長

──喜多村さんが福山バットの料理長になった経緯を知りたい。

喜多村──

もともと私はフランス料理の調理人でした。

調理の専門学校卒業後、フランス料理の世界でずっと働いてきました。

そして、料理コンテストに出場して最優秀賞を受賞したんです。

それを期に今度はジャンルにとらわれずに料理を勉強したくなり、新たに働き始めたのが焼肉店「孫悟空」でした。

その後は会社を離れて料理の仕事をしていたのですが、福山中心部に焼肉店を出店するタイミングで、F-crewの代表から直々に協力してほしいと要請があったんです。

出店予定の焼肉店は「焼肉ビストロ」をテーマにしたものだったので、フランス料理の経歴をもつ私に声をかけていただけました。

ユニークなメニュー「冷たい麻婆豆腐」 (418円) (過去の訪問時に撮影)
ユニークなメニュー「冷たい麻婆豆腐」 (418円) (過去の訪問時に撮影)

そして焼肉ビストロの料理長として、F-crewでふたたび働くことになったんです。

翌年に福山バットがオープンするタイミングで、福山バットの料理長として異動しました。

料理長としてのF-crewでの仕事は、自身の経験を生かした新たなメニューの開発や改良などです。

新たなメニューの開発・改良は、現在でも常におこなっています。

レギュラーメニュー以外のメニュー「本日のおすすめ」などには、開発・改良したメニューなども出すことがあり、好感触なら新レギュラーメニューにすることもありますよ。

「本日のおすすめ」について、みなさまの感想をお聞かせいただけると、助かります!

大衆酒場にフレンチの要素と焼肉店ならではの肉へのこだわりをプラス

福山バットの名物「ハラミステーキ」 (968円) (過去の訪問時に撮影)
福山バットの名物「ハラミステーキ」 (968円) (過去の訪問時に撮影)

──福山バットのこだわりや特徴は。

喜多村──

ズバリ、大衆酒場らしい定番の大衆的な料理と、フレンチの要素を取り入れた料理、そして肉へのこだわりです。

ネオ大衆酒場ですから、大衆酒場の定番の料理・大衆的な料理が多いです。

それに加えて私がフランス料理出身ですから、フランス料理の要素を取り入れたオリジナルのメニューがあります。

フランス料理の要素がある大衆酒場は、めずらしくておもしろいんじゃないでしょうか。

フレンチ要素を楽しめるメニューとしては、グラタン系やオムレツ系のメニューや、ソースにこだわった「淡路島玉ねぎバター醬油」などを食べてみてほしいですね。

分厚さがインパクトある「ハムカツ」(385円) (過去の訪問時に撮影)
分厚さがインパクトある「ハムカツ」(385円) (過去の訪問時に撮影)

あと肉へのこだわりですが、老舗の焼肉店のノウハウがあるので、肉に関しては強みがあります

昭和の大衆酒場や居酒屋は、肉より魚介系の料理が多い印象があるかもしれません。

しかし、当店は魚介よりも肉料理が得意なのが特徴ですね。

選りすぐりの肉を使っていますし、こだわりの自家製タレを使うメニューもあります。

肉料理のおすすめは、「牛スジ煮込み」「とり皮串」、一番人気の名物「ハラミステーキ」などですね。

鶏タタキ刺し 柚子胡椒添え」もおすすめです!

それと当店では、量は少なめにして値段も抑えめにしております。

多くのメニューを少しずつ楽しめるようにしました。

今後もさらに福山を盛り上げていく

福山バット:喜多村陽一 店長兼料理長

──今後の展望ややってみたいことを教えてほしい。

喜多村──

「福山バット」を名乗っていますし、福山を盛り上げるために出した店です。

ですから、福山をさらに盛り上げていくのが目標ですね。

開店した2019年は順調でしたが、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の流行に影響されて大変でした。

2022年に入り、徐々にではありますが回復傾向ですので、このまま盛り上げていきたいです。

周年祭も一度もできていないので、次はぜひ周年祭をできればいいなと。

あとは市外に支店を出せればいいなと思います。

たとえば広島市内とか。

「福山バット」という店名のまま出店して、福山の存在感を市外にもアピールできれば最高ですね。

伏見町の大衆酒場 福山バット

福山バット

懐かしい雰囲気でありながら、新しさもある大衆酒場 福山バット。

福山駅から徒歩ですぐの場所にあるので、一人でも仕事帰りにフラッと気軽に立ち寄れるのが魅力です。

肉にこだわり、フレンチの技術が生かされた料理が楽しめる、ユニークな大衆酒場を楽しんでみてはいかがでしょうか。

著者:アサノ ・ヨウスケ