財布やカバンなど、身近なところでたくさん使われている革製品。
丈夫で長く使え、しかも使い続けることによって風合いが変化していくのが革の魅力ですよね。
そんな革ですが、福山市ならではの魅力を詰め込んだ製品があるのを知っていますか?
それが「福山レザー」です。
福山の伝統工芸の技術を、革に取り入れています。
そして福山レザーを考案したのが、福山市多治米町で革工房「レザースタジオ サード(Leather studio Third、以下 サード)」を運営する三島進(みしま すすむ)さん。
福山市を観光地化し、サードを観光スポット化するという目標をもち、さらに多数の受賞歴のある革職人です。
三島進さんの革や福山に対する情熱、サードの特徴やこだわり、福山レザーの魅力などについて紐解いてきましょう。
レザースタジオ サードとは

レザースタジオ サードは、福山市多治米町六丁目にある革工房です。
「革小物」を中心とする牛革を使った製品を製造し、販売しています。

サードは、オリジナル製品を多数ラインナップ。
さらにはオーダーメード、修繕、リメイクなど幅広く対応しています。
なかでも注目は、天然藍染めを革にほどこした「福山レザー」です。
福山の伝統工芸である備後絣(びんごがすり)に着想を得てつくられました。
まさに、福山らしさあふれるオリジナル商品です。
ほかにもランドセルのリメイクなど、ユニークなサービスも展開しています。

サードの店内は、カウンター越しに職人たちの仕事ぶりが眺められるのが特徴です。
店内や店づくりのコンセプトにも、サードならではのこだわりがあります。
その秘密は、インタビューのコーナーで明かされていますので、ぜひインタビューを見てください。
代表の三島進さんは多数の受賞歴がある手練れの革職人

サードの代表取締役は、革職人の三島進(みしま すすむ)さん。
革に対する熱い思いとこだわり、地元・福山への情熱をもっています。
そんな三島さんは、革の全国コンクールなどで多数の受賞歴がある、革に関するプロ中のプロなのです。

確かな技術はもちろん、多彩なアイデアでユニークな商品も生み出しています。
サードならではの福山レザーも、三島さんが生み出したものです。
扱う製品は革小物。オーダーメード、セミオーダーメードも得意

サードが製造・販売する製品は、おもに以下のような「革小物」と呼ばれるものです。
- 財布
- 名刺入れ
- ベルト
- 小物入れ、ケース類
- キーホルダー
- アクセサリー
- バッグ

サードのオリジナル製品は多数ありますが、とくにサードが力を入れているのが革小物のオーダーメードやセミオーダーメードです。
セミオーダーメードは、既存商品をベースに、局所的に注文して変えていくもの。

オーダーメードやセミオーダーでは、いままで1万点以上の製品を手がけてきました。
オーダーメードやセミオーダーは、長く使うために自分のこだわりの製品を使いたい場合のほか、プレゼント用、企業や団体の記念品などといった目的での利用があったそう。

またサードでは使っている革製品の修繕やリメイクもおこなっており、好評です。
他店で買ったものでも対応しています。
なお、サードの製品はオンラインショップでも販売しています。
「福山レザー」はサードの革加工の技術と福山の伝統工芸が融合
2023年(令和5年)2月時点の情報。価格は消費税込

サードを代表する製品のひとつが「福山レザー」です。
福山レザーはサードならではのもので、革を天然藍で染めたもの。
福山を観光地として広め、サードを観光スポットにするために三島代表が考案しました。
藍染によって、福山の空と瀬戸内海をイメージしています。
福山の伝統工芸である備後絣で用いられる藍染の技術を革に応用した、福山らしさあふれる製品です。
福山レザーは薄い藍色の絞り染めと、濃い藍色の濃い染めの2種類があります。


絞り染めは、福山の空をイメージ。
いっぽう濃い染めは二回染めしたもので、瀬戸内海をイメージしています。
実際に手に取ってみると、空のような清々しさ、海のような深さを連想させる、とても美しい青い革だと思いました。
この美しさに、使用による味わい深さが加わると、どんな表情になるのか楽しみです。
自分で愛用するのはもちろん、贈り物としても最適ではないでしょうか。
なお福山レザーシリーズも、オーダーメードやセミオーダーメードが可能です。
またほかの革製品同様に、福山レザーには以下のようなさまざまな製品があります。
- 財布
- 名刺入れ
- ベルト
- 小物入れ、ケース類
- キーホルダー
福山レザーの一部を紹介しましょう。
名刺入れ「ポム」

名刺入れの「ポム」(7,920円)は、人気の名刺入れです。

大容量だけど薄いので、スーツのポケットにも入れやすく、実用性があります。

約30枚の名刺が収納可能です。

収納ポケットは2か所あります。

詳細は、サードの公式サイトを見てください。
コンパクト財布「レジェ」

コンパクト財布の「レジェ」(11,220円)。
正方形をした薄型財布で、開口部がL字型のファスナーになっているのが特徴です。

ファスナーを開けると、中央にポケットがあり、その左右にもスペースがあります。
中央のポケットは小銭の収納、左右のスペースに紙幣やカード類を収納することを想定。

開口部が大きく開くので、お金などが取り出しやすいです。

薄さと軽さを追求した財布なので、ミニマリスト向きではないでしょうか。
なおレジェのカラーバリエーションは、福山レザー(絞り染め、濃い染め)以外にもあります。
詳細は、サードの公式サイトを見てください。
長財布「リセス」

長財布の「リセス」(33,000円)は、薄い・軽い・大容量をコンセプトにしています。
開口部は、中身が取り出しやすいL字のファスナーを採用。

リセスでは薄さや軽さの追求のため、余計な部分を省いています。
たとえば、小銭入れ部分にはファスナーを付けていません。

それでも小銭がこぼれないよう、絶妙なサイズを実現しています。
また一般的な長財布よりも、約1cm幅が細いのも特徴。
そのためホールド感があり、手に持ったときにシッカリと握れます。
カード入れもたくさんあり、もちろん紙幣もたくさん収納。

薄さと軽さと、大容量を実現した財布です。

なお福山レザーのほかに、「アリゾナパパベロ」「アリゾナマーレ」などのカラーバリエーションもあります。
詳細は、サードの公式サイトを見てください。
ランドセルのリメイクで思い出を新たな形に

サードではランドセルをリメイクして、さまざまな製品へ変えるサービスをおこなっています。
ランドセルリメイクはとても利用者が多く、サードの人気サービスのひとつ。

ランドセルのリメイクサービスをおこなっている店はほかにもありますが、「ヒビ割れお断り」のところが多いです。
しかし、サードではヒビ割れしていてもリメイクに対応できます。
ヒビ割れは、加水分解という劣化現象です。

サードでは加水分解をおこした部分に牛皮を使ったり、くり抜き・パンチング加工などをしたりして対応。
ここにもサードの「できないとは言わない」という信条が現れています。
6年という長い年月をともにしたランドセル。
思い出の詰まったランドセルを、卒業と同時に廃棄するのは大変もったいないですよね。
ランドセルをリメイクして、新たな形で使っていくのはいかがでしょうか。
なおリメイク後、ランドセルの残った部分は阿伏兎観音(磐台寺)で供養されます。
福山の魅力が詰まった福山レザーや、ランドセルのリメイクなど、革への愛があふれる製品を生み出すレザースタジオ サード。
運営する株式会社 サードの代表・三島進(みしま すすむ)さんにインタビューをしました。