日本フランチャイズチェーン協会がまとめた7月の全国のコンビニエンスストア7社の売上高は、新規出店を含む全店ベースで、前年同月比0.6%減の9869億円だった。前年割れは77カ月ぶり。調査の対象は、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、セイコーマート、ポプラ、山崎製パンデイリーヤマザキ事業統括本部である。

 既存店ベースでは、2.5%減の9170億円で2カ月連続の減少。消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が出た2015年3月以来のマイナス幅となった。天候不順の影響で来店客数は4.7%減の14億5843万人。5カ月連続のマイナスで、今年に入りもっとも大きな落ち込みとなった。

 一方、平均客単価は2.3%増の628円と9カ月連続のプラスだ。品目別では、アイスやアルコール飲料を含む「加工食品」(構成比27.8%)が7.7%減と大幅に下落し、おにぎりや弁当などの「日配食品」(同36.5%)も2.0%減。日用雑貨の「非食品」(同30.4%)は1.9%増だった。

 店舗数は5万5724店で、前年同月比349店(0.6%)増にとどまった。これまでは、既存店ベースの売上高が前年を下回っても、新規出店を増やすことで全店ベースの売上高はプラスを確保してきた。

 7月の全店売上高の前年割れは、確かに全国的に梅雨明けが遅れ、飲料水やアイスクリームの販売が低調だったという天気の要因はあるが、24時間営業問題を受け、各社が出店ぺースを抑えた影響が大きかった。

【大手コンビニ4社の7月の実績】(前年同月比、%)
※既存店売上高、客数、客単価、チェーン全店売上高

セブン−イレブン:▲3.4、▲5.6、2.3、▲1.2
ファミリーマート:▲1.7、▲3.6、1.9、▲1.9
ローソン:▲2.3、▲4.5、2.3、1.1
ミニストップ:▲5.1、▲6.6、1.5、▲13.0
(資料:各社の7月の営業実績。▲はマイナス)

 セブンのチェーン全店売上高が前年割れとなるのは、たばこの販売方法の変更による反動減があった10年3月以来9年4カ月ぶり。スマートフォン向け決済アプリ「セブンペイ」の不正利用問題がイメージダウンにつながった。

 ローソンは唯一、チェーン全店売上高がプラス。「バスチー(バスク風チーズケーキ)」(215円、税込み価格)が、3月26日の発売以来、8月21日までに累計販売数1900万個と、爆発的にヒットしたことが寄与した。

「6万店飽和説」が現実味

 コンビニ各社の喫緊の経営課題は24時間営業問題である。人手不足により深夜の営業時間の短縮が進めば、売上高の減少につながるからだ。

 今年2月、大阪府東大阪市で独自に時短営業を始めたセブンの加盟店オーナーと本部との対立が明らかになって以降、加盟店に24時間営業を事実上強制しているコンビニ本部への批判が集中。経済産業省が負担軽減を求める事態となった。

 最大手のセブンは7月、コンビニの24時間営業について、加盟店オーナーの考えを把握するため、全加盟店のオーナーを対象にアンケート調査を実施。深夜営業の是非のほか本部に求める具体的な支援策を聞いた。

 ファミマは、10月中旬から加盟店を対象にして大規模な夜間の時短営業実験を実施する。12月に一定の方向性を出す。

 ローソンは、少ないながらも加盟店に時短営業を認めている。8月23日から、人手不足に対応するため、深夜の省力化実験を横浜市で始めた。午前0時から5時に売り場に店員を置かず、1人が倉庫で商品管理などの業務に当たる。

 24時間営業問題は、各社の出店戦略に影響を与える。

 コンビニの客単価は上昇基調にある。新しい商品や新サービスを常に提案してきた賜物だ。とはいえ、既存店の売上高は低空飛行を続けてきた。この理由ははっきりしている。既存店が客数を減らし続けているからだ。売り上げを伸ばすには、新規店舗を増やすしかない。

 7月の7社合計の全店売上高の前年割れが衝撃だったのは、新規出店で全社の売上高をカサ上げするという方程式が成り立たなくなったからだ。7月が異常事態ということではない。24時間営業の見直しが進めば、7月と同じことが起きる。既存店の売り上げは伸びず、全社の売上高も増えないという悪循環に陥る。

 これまでも、コンビニは飽和説が指摘されてきた。ところが、「5万店飽和説」を打破して、現在は5万5000店を超えた。

 だが、24時間営業問題で各社は出店抑制に舵を切るとみられる。新規出店数は、今までのようなペースでは増えないだろう。いよいよコンビニ「6万店飽和説」が現実味を帯びてきた。
(文=編集部)