中古車情報メディア『カーセンサー』(企画・制作 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)は11月号で、「クルマ好きがいつかは乗りたい名車9モデルの現在」を特集した。名車の流通量などのデータを公開したことで、読者からの反応も上々だったという。

 名車9モデルの人気の理由や価格帯などについて、リクルート自動車総研所長兼カーセンサー編集長の西村泰宏氏に話を聞いた。

クルマ好きに支持される名車の魅力

――名車9モデルのラインナップと名車たる所以について、教えてください。

西村泰宏氏(以下、西村) ラインナップは以下の通りです。

ポルシェ「空冷911」(タイプ930、タイプ964、タイプ993)

日産「スカイラインGT-R」(R32、R33、R34)

ホンダ「NSX(初代)」

トヨタ「A80スープラ」

マツダ「NAロードスター」

 この9モデルは走りとデザインの良さを高いレベルで両立している点が共通しており、いずれも熱狂的なファンがいます。また、レースで活躍したり、特殊な技術を搭載していたりするなど、それぞれ固有のエピソードを持っています。国産のA80スープラとNAロードスターは、海外でも人気があるモデルです。世界中のクルマ好きに広く認められているというのが、名車の定義のひとつでしょう。今回は、予算的に折り合えば、すぐに買った方がいいモデルを選定しました。

――ポルシェ911の評価についてはいかがですか。

西村 現行型に至るまでのRRのレイアウトが特徴です。ポルシェはリアエンジンのリア駆動にこだわり、世界的にお手本となるスポーツカーをつくり続けています。2018年頃まで世界中で価格が上がり続けましたが、ようやく落ち着いてきました。希少価値が高いため、もはや美術品のように扱われている稀有なモデルです。予算的には、タイプ930、タイプ964、タイプ993はいずれも1000万円クラスとなります。

――スカイラインGT-Rの特徴はなんでしょうか。

西村 馬力に代表されるハイパフォーマンスがクルマ好きを熱狂させており、一言で言えば「速い」モデルです。GT-Rの中ではR33が不人気でしたが、アメリカでじわじわと人気が出ており、日本でも再評価されています。日本ではR34の人気が最も高く、R33と比較してボディを絞り、パワーを高めています。R32の平均価格は2年弱で100万円以上も上昇しており、現在は500万円前後になっています。また、R34に至っては2年弱で約400万円高騰しており、現在は約1200万円になっています。

――NSXはバブル世代には馴染みの深いクルマですね。

西村 「日本初のスーパーカー」という触れ込みで、デザインも性能も高い評価を受けています。アメリカでは現行型が復活したタイミングで1号車が1億円で落札されたほどで、NSXは世界的に認められたスーパーカーといっていいでしょう。初代は約40台と流通量が少なく、ノーマルの3.0タイプは400万〜600万円、別車扱いのスペシャルモデル「NSX-R」は2000万円オーバーというのが現在の相場です。

――A80スープラについてはいかがでしょうか。

西村 2年前にスープラが復活したことで再び注目されるようになり、価格的には100万円ほど上がっています。映画『ワイルド・スピード』に登場したことでも人気が高まったモデルです。価格は上昇トレンドが続いており、同時に流通量もどんどん減ってきています。平均価格は400万円前後で、以前は常に100台ほどが流通していましたが、今は30台ほどになっています。

――NAロードスターが人気の理由はなんでしょうか。

西村 やはり、軽くてオープンという点ですね。運転していて楽しいというのをすごく実感できるクルマです。これまで紹介したモデルは誰が運転してもスピードが出ますし、たとえばGT-Rは四駆制御の性能が高く、路面状態が良くなくてもきちんと制御してくれます。一方、ロードスターはそれほど速くありませんが、その分クルマを操ることの楽しさを再確認することができます。

 また、ロードスターはオープンカーの中では世界で最も販売台数が多く、ファンの熱量も高い。現行型が今でも世界中で売られ続けているのは、人気を維持している証拠です。平均価格は他のスポーツカーと比べると安く108万円ほどですが、幌などを交換すると20万〜30万円はかかりますし、個体によってはメンテナンスに50万円ほど必要なケースもありますので、状態のチェックは必須です。

(構成=長井雄一朗/ライター)