中古車情報メディア『カーセンサー』(企画・制作 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)は昨年12月号で「サムライ魂をくすぐる輸入車25選」を特集し、読者から好評を得たという。今回、その中から珠玉の5車を選んでもらい、その魅力について、リクルート自動車総研所長兼カーセンサー編集長の西村泰宏氏に聞いた。

魅力あふれる輸入車5選とは

――「輸入車25選」では、1位が「ミニミニクーパーS/ジョン・クーパー・ワークス(現行型・3ドア)」、2位が「アバルト595(現行型)」、3位が「アルファロメオ ミト(初代)」という結果でした。今回は、さらに5選に絞っていただきたいと思います。

西村泰宏氏(以下、西村) 個人的な好みも入りますが、以下の通りです。

1.アルピーヌA110(現行型)

2.アウディTT(2代目)

3.ポルシェ911(996型)

4.シボレー カマロ(2009年12月〜17年10月生産モデル)

5.アバルト595(現行型)

――それぞれ、魅力やポイントを教えてください。まずは、1〜3台目からお願いします。

西村 まず、アルピーヌA110は超軽量アルミボディが特徴で、「軽いことは正義」をわかりやすく体験させてくれる数少ないクルマです。スポーツカーとしては珍しくオートマしかありませんが、運転するのがとても楽しく、いつまでもドライブを続けたくなります。「走る」「止まる」「曲がる」を何度も繰り返したくなる、運転の楽しさが際立つクルマです。

 アウディTTは初代から3代目までどれもデザインにおもしろみがあり特徴的で、国産車にはあまり見られないセクシーな魅力があるクルマです。そのためTTは女性のユーザーも多く、乗る人を選ばないジェンダーレスなアイコンといえます。

 ポルシェ911(996型)は、この世代からエンジンが空冷から水冷になりました。500万円以下でも購入可能で、現存するポルシェ911の中で最も安く乗れるモデルです。あの「ポルシェ911に乗る」という体験のコストパフォーマンスを考えると、注目すべき輸入車の1台といえるでしょう。デザイン的に「涙目」と呼ばれるヘッドライト部分の好みは分かれるところですが、楽しく乗れるクルマであることは間違いありません。

――4〜5台目は、シボレー カマロとアバルト595ですね。

西村 シボレー カマロは6.2L、V8ターボでOHVエンジンが魅力です。通常のクルマはダウンサイジングが主流で、このサイズでは1.5〜2Lを搭載していることが多いですから、単純計算で3〜4倍の大排気量です。世の中全体で車両の電動化が急速に推進されていく中、今のうちに貴重な6.2Lエンジンのパワーを体験しておくのもおもしろいでしょう。

 アバルト595は国産車で言えば「アクア」のようなコンパクトなサイズ感で、運転が不安という人でも選びやすい輸入車です。ベースとなるフィアットの500をスポーティな味付けにしたクルマで、あえて選んでいる感じが出ますので、個性的であるという主張が可能です。輸入車全般の特徴でもあるのですが、黒白銀以外にも美しいカラーリングが多く、595は特にカラーバリエーションが豊富です。限定車やさまざまなブランドとのコラボしたモデルが存在しており、内外装も含めて理想の1台を探すことも楽しめる1台です。

――そもそも、輸入車の魅力についてはどうお考えですか。

西村 大まかにいえば、国産車はかゆいところに手が届くような万能タイプのクルマが多いです。一方、輸入車は「速く走りたい」「長い距離を楽しく走りたい」といったニーズに応えるために長所を際立たせているクルマが多く、その半面で短所も明確なモデルが多いと言えます。

 近年、トヨタがBMWと協業して「新型スープラ」を開発し、部品の50%以上を日本製品が占めている輸入車もあります。また、日産はルノー連合の一員ですから、純然たる国産車なのか輸入車なのかの定義がもはや難しい。ユーザーも、国産車か輸入車かということを昔よりもあまり意識しなくなってきています。

 カーセンサー編集部としては、クルマは好きだけど輸入車には抵抗があるという人向けに、「国産車も輸入車も関係なく、いいクルマを選び、楽しんでほしい」というメッセージを込めて先の特集を制作しました。

(構成=長井雄一朗/ライター)