国内航空3位のスカイマークの佐山展生前会長は4月20日、スカイマーク会長を辞任した。理由は「一身上の都合」。後任には、投資ファンド、インテグラルの代表取締役を務める山本礼二郎氏が就任した。佐山氏は同時にインテグラル代表も退任した。

 スカイマークは大規模な投資が重荷になって業績が悪化。2015年1月、民事再生法の適用を申請。スカイマークに50.1%を出資して支援したインテグラル代表の佐山氏が同年9月に会長に就任した。20年の再上場を目指し、機材の整理など佐山氏が経営効率化の陣頭指揮を執ってきた。

 19年10月、東京証券取引所に再上場を申請。新型コロナウイルスの感染拡大で再び業績が悪化し、20年4月に上場申請を取り下げた。再上場を果たせぬまま、佐山氏はスカイマークを去った。

減資で「中小企業」に

 21年3月期の単独決算は、売上高にあたる事業収益は20年同期比62%減の340億円、営業損益は316億円の赤字(20年3月期は22億円の黒字)、最終損益は163億円の赤字(同12億円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、通期の平均搭乗率は33ポイント低下し、旅客数は約296万人と61%減った。最終赤字は2期連続で、赤字額は民事再生計画が認可された16年3月期(392億円の赤字)以来の規模となった。今期以降の業績回復を見込み、繰り延べ税金資産120億円を計上したことから最終赤字は営業赤字よりも縮小した。

 20年12月、資本金を90億円から1億円に減らした。これにより、売上高や従業員数などの規模と関係なく、税制上、中小企業の特権を享受できるようになった。巨額の繰り延べ税金資産は、この特権なくしては計上できなかった。

 税引前当期純損失は299億円まで膨らみ、債務超過に陥るのは避けられなかったが、資本金を1億円に減資し中小企業になった税制上の効果が生きてきた。繰延税金資産として120億円を計上したのに伴い、法人等調整額135億円を差し引くことができたため、当期純損失を163億円の赤字にとどめることができた。これにより債務超過に転落することを回避した。

増資後、再び中小企業になる

 9月28日、計40億円の資金を調達した。同時に資本金と資本準備金の額を1億円に減らす。40億円の資金は株主割当増資で20億円、日本政策投資銀行からの劣後ローンの借り入れで20億円調達した。増資で資本金が増えた分を資本準備金に振り替え、資本金をもう一度、1億円にした。自己資本比率は変わらないし、持ち株比率の変更もない。

 20年に資本金を90億円から1億円に減らしており、今度は40億円の資本増強を行った後、再び1億円に戻す。繰り延べ税金資産は資本金1億円以下の中小企業だと、大企業よりも圧縮割合を多くすることが認められている。

 欠損金の処理とならんで中小企業にメリットがあるのは地方税の扱いだ。法人事業税は「外形標準課税」と呼ばれる仕組みを採用している。赤字であっても一定程度の税負担を求められる仕組みだが、資本金1億円以下だと対象外となる。大企業が資本金を1億円以下にするのは、コロナ禍で業績が悪化した航空や旅行、飲食業界などへの救済措置の側面が強い。一度ならず二度までもこの特典を“活用”するスカイマークの資本政策には疑問の声もある。

(文=編集部)