ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)にある世界最大のミニオン・エリア「ミニオン・パーク」内の大人気アトラクション「ミニオン・ハチャメチャ・ライド」に、日本航空(JAL)が協賛したことを記念した特別塗装の飛行機が就航した。

 USJを運営する株式会社ユー・エス・ジェイと、JALは7月27日、特別塗装機「JALミニオンジェット」の就航式典を行った。そこでユー・エス・ジェイの営業部長村山卓氏は、次のように意気込みを語った。

「JALと、すさまじい勢いで人気を得ているミニオンやパークがより進化拡大することで、関西・大阪の地域観光を拡大していきたい」

 ミニオンとは、ユニバーサル・ピクチャーズ配給(日本では東宝東和)の3Dアニメ映画『怪盗グルー』シリーズに登場するキャラクター。ドジだが精一杯ボスに尽くす愛嬌ある姿が人気を集め、USJでも「ミニオン・ハチャメチャ・ライド」は120〜160分待ちという盛況ぶりだ。関連グッズも爆発的に売れて、来場者は「1人1ミニオングッズを買って帰る」(村山氏)ほどだという。数年前、爆発的な人気によってエリアへ入場を制限し、整理券が発行された「ハリーポッター」エリアが、いまや整理券がなくても入場できる機会が多くなっており、主役が交代したかのように見える。ただし、人気アトラクションの「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」は80〜120分待ちで、依然として高い人気だ。

 USJでは、映画のキャラクターのほか、サンリオのハローキティや、「ワンピース・プレミア・ショー」をはじめとする、雑誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)との期間限定イベント「ユニバーサル・ジャンプ・サマー」を開催するなど、さまざまな旬のキャラクターが(ディズニー以外の)オールスター状態で登場するだけでなく、うつぶせになって乗る「フライング・ダイナソー」をはじめとする絶叫系のライド・アトラクションなども充実している。

 USJは2011年度から6年連続で入場者数が増加。2016年度は過去最高となる年間1460万人を記録した。また、旅行サイト「トリップアドバイザー」が7月6日に発表した「日本の人気テーマパーク2017」では、東京ディズニーランド(TDL・2位)、東京ディズニーシー(TDS・3位)を抜き、初の首位を獲得したほどだ。

●USJとTDR、人気の差

 USJは1日券(ワンデイスタジオパス)料金を、東京ディズニーリゾート(TDR)と同程度の7600円としているが、人気に差が表れた格好だ。この差はいったいどこから来たのか。USJとTDRに入場し、夏のイベントを見て、両者の差がどこにあるかがはっきりとした。それも、象徴的な“水ぶっかけイベント”に大きな差があった。

 今夏のイベントは、TDLは「ディズニー夏祭り 燦水(さんすい)!サマービート」というパレードを行い、観客にも一定の水ぶっかけを行っている。さらに、ぶっかけ水量がすごいのがTDSの「パイレーツ・オブ・カリビアン」のスペシャルイベント「ディズニー・パイレーツ・サマー パイレーツ・サマーバトル“ゲット・ウェット”」だ。キャプテン・ジャック・スパロウと海賊たちが放水対決をするために、会場となるメディテレーニアンハーバー全体がシャワーに包まれるのだ。ずぶぬれになったゲスト(客)たちが次々と替えのTシャツ(2300円〜)を買いに走るために、一人当たりの客単価も大きく上昇することが見込まれる。

 さらに、もっとエンターテインメントと客単価を考えているのが、USJの「ミニオン・ウォーター・サプライズ・パレード」だ。ミニオンたちがゲストに向かって放水するだけでなく、ゲスト側もウォーターシューター(2500円)やビッグ・シューター(3500円)を用いて、ミニオンたちに放水することが可能となっている。参加することができるために、経営学でいう「コト消費」、体験型消費の満足度が高まるのだ。これまでもUSJは、イベントの際にゲスト参加度を高めており、それがTDRとの差になったようだ。しかも、TDR同様に、ゲストが替えのTシャツを買うことで一人当たり客単価も大きく上昇することが見込まれる。

 また、TDRでは制約の多い、キャラクターのコスプレもUSJでは可能だ。今夏は黄色い上着にオーバーオールのミニオンコスプレが目立つのだ。反対にTDRでは、揃いのセーラー服で来場する18歳「以上」のグループが激減している。

 USJは20年に、任天堂の人気キャラクター・マリオを使った「マリオカート」アトラクションを導入予定というが、「これでもか」とばかりに人気アトラクションやイベントを投入するUSJ人気は、しばらく続きそうだ。
(文=椎名民生)