(ブルームバーグ): 日産自動車は12日、今期(2019年3月期)の業績予想を大幅に下方修正した。昨年11月のカルロス・ゴーン元会長逮捕後で初の決算発表だったが、販売が計画を下回ったほか原材料費などのコスト増も響いた。

  日産の発表資料によると通期の営業利益予想を従来の5400億円から前年同期比22%減の4500億円に減額、市場予想の最低値(4920億円)も下回った。売上高と純利益も下方修正した。主力市場の米国や中国などで販売が低迷し、通期の世界販売計画は当初見通しより32万5000台少ない560万台に引き下げた。鉄鋼など原材料費の上昇も響いたという。

    通期の為替レートの前提は1ドル=110.6円、1ユーロ=129.4円に変更。従来予想はそれぞれ105円と130円でドルについては5円以上、円安方向に見直したもののマイナス影響を打ち消すにはいたらなかった。

  横浜市の本社で会見した西川広人社長は業績見通しの修正について「日産の収益率は自慢できるものではない。販売の質の改善の取り組みを継続する」と説明し、「やや大幅な下方修正をさせていただいた」と述べた。

  10−12月期の世界販売台数は前年同期比2.6%減の134万台だった。国内は完成検査問題で前年に大幅に落ち込んでいた反動で32%増の12万5000台となった。インセンティブ(販売奨励金)の高止まりで苦戦を強いられる北米は7.7%減の48万6000台だった。北米の営業利益は前年同期比75%増の294億円で利益率は若干改善。米国では台数が減少したものの販売の質は向上しているという。

  一方、昨年、日産にとっての最大の市場となった中国では昨年9月から5カ月連続で前年割れが続いている。西川社長によると、「中国市場は踊り場を迎えている」ものの、長い目で見るとまだ成長していくとの見方を示した。

  特別背任の罪などで起訴されたゴーン被告の報酬に関しては有価証券報告書に未記載だった分について18年4−12月期に計約92億円を費用計上した。西川社長は同被告に関する調査は「現在進行中」とし、今回計上した費用について「支払う結論に至ると思っていない」と話した。

  日産と仏ルノーに三菱自動車を加えた3社連合(アライアンス)の会長兼最高責任者(CEO)として経営を率いていたゴーン被告は今も東京拘置所に勾留されたままだ。一連の問題での自身の責任については「果たすべき責任に集中させていただきたい。その上で自分の責任を考えたい」と述べた。

  一方、絶対的なトップが不在となり、日産とルノーの間では後任会長の座などをめぐって意見が対立する場面も出ている。

  ルノーの新会長に就任したジャンドミニク・スナール氏は週内にも来日し、西川社長らと横浜市内の日産本社で会談する予定。西川社長はアライアンスについて非常に大きな強みであり財産だと評価した上で、「アライアンスの原則はお互いの自立性の尊重」とも指摘。「お互いの信頼関係の醸成やコミュニーケーションをよく取ることで、日々のオペレーションを安定させていくことが一番の課題」と述べた。

(決算の詳細や西川社長のコメントを追加して更新します.)

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