(ブルームバーグ): 日産自動車は、前会長のカルロス・ゴーン被告の子供4人全員が通った米スタンフォード大学の授業料を2004−15年にかけて支払っていたことが、事情に詳しい関係者への取材で明らかになった。

  情報が非公開だとして匿名を条件に述べた関係者の1人によると、日産による授業料負担はゴーン被告が1999年に同社最高経営責任者(CEO)として起用された際の雇用契約で福利厚生に含まれていたもの。こうした福利厚生は最高幹部の間でも珍しく、スタンフォード大学が04ー15年時に公表していた授業料をベースに換算すると、4人分の金額は合計で少なくとも60万1000ドル(約6640万円)相当に上る。

  日産は、幹部への報酬パッケージ詳細についてコメントしないと文書で説明した。ゴーン被告のパリでの弁護士、ジャンイブ・ルボルニュ氏はコメントを控え、スタンフォード大学の広報担当者にコメントを求めたが返答は得られていない。

  ゴーン被告に対する起訴内容に今回の授業料の件は含まれていないが、日産が同被告の子供4人の大学授業料を支払っていたとすれば「極めて異例」だと、幹部報酬コンサルティング会社、米ファリエント・アドバイザーズのロビン・フェラコーンCEOは指摘する。

  フェラコーン氏は「通常、子供の授業料の会社負担は海外駐在員向けにしか見たことがなく、大学就学年齢よりも下の子供が対象だ」と指摘した。

  日産が日米当局に提出した届け出にはゴーン氏の福利厚生に関する情報は一切含まれていない。同社は米国で米預託証券(ADR)を上場している。米国の法律では幹部の福利厚生は課税対象の報酬とみなされており、米国で上場する企業は投資家への報告義務がある。米証券取引委員会(SEC)は日産が幹部報酬を適切に開示していたかどうかを巡り調査に乗り出した。日産は調査に協力していると述べている。

©2019 Bloomberg L.P.