(ブルームバーグ): 金融庁は28日、野村ホールディングス(HD)と傘下の野村証券に対して、東京証券取引所の株式市場再編に関する情報を不適切な方法で漏えいしたとして、金融商品取引法に基づき業務改善命令を出した。

  発表によると、野村証、野村HDに対して経営責任の明確化や既に策定した再発防止策を踏まえた詳細な改善計画を6月4日までに提出するよう求めた。

  野村証において情報管理における経営管理体制が十分ではなかったほか、2012年の増資インサイダー問題との類似性が認められ、当時の行政処分を踏まえて業務運営が改善されていないと指摘した。さらに、野村HDの経営陣が適切な経営管理機能を十分に発揮していなかったとした。

  金融庁幹部は今回の情報漏えいについて、インサイダー取引には当たらないが、それに引けを取らず市場の公正性にとって重大な問題行為だと指摘。12年の増資インサイダー問題以来、法令順守の意識がいまだ浸透していないとした。

  同幹部は企業風土の改善が今後も着実に進まなかった場合、野村HDが既に打ち出している社内処分の内容で十分であるのか改めて検証してもらいたいとして、経営責任の明確化を求めたとも述べた。

  野村HDは同日、「このたびの業務改善命令を厳粛に受け止め、深く反省するとともに、あらためて心よりおわび申し上げる」などとするコメントを発表した。永井浩二最高経営責任者(CEO)は、法令等順守体制や内部管理体制のより一層の強化・充実を図り、再発防止と信頼回復に努める、と述べている。

  同社は24日、東証の株式市場再編に関する情報漏えい問題を巡り、外部有識者による調査結果を発表。不適切な方法で重要情報を機関投資家に伝えていたとして、永井CEOら経営幹部の減給や再発防止策を発表している。

  野村証が業務改善命令を受けるのは12年の増資インサイダー問題以来のこと。当時の渡部賢一CEOらは引責辞任に追い込まれた。

(金融庁幹部のコメントや野村HDの発表を追加して記事を更新します.)

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