(ブルームバーグ): メキシコに対する制裁関税の発動を見送ったトランプ米大統領の判断は、米中間の貿易摩擦激化に巻き込まれている世界経済にとってまたとない朗報だ。

  20カ国・地域(G20)会合出席のため福岡に集まった中央銀行総裁と財務相らは、トランプ氏の動きについて、企業や投資家が直面する最大の懸念材料の一つを明確に払拭(ふっしょく)するものとして歓迎する意向を即座に示した。

  日本銀行の黒田東彦総裁は記者団に対し、米国の対メキシコ5%関税の取りやめは「良かった」と発言。インドネシアのインドラワティ財務相はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、関税取りやめのニュースは「非常にプラス」と述べ、米中両国も貿易交渉で合意に達することが可能であることを示唆するものかもしれないと語った。       

  今回の会合を前に、世界銀行は2019年の世界の経済成長見通しを2.6%と、1月時点で予想した2.9%から下方修正した。オーストラリアのフライデンバーグ財務相は7日にブルームバーグテレビジョンで、「貿易摩擦の緊迫化が世界経済見通しの重しになっているのは間違いない」と指摘。8日に福岡で開催されたパネルでは、中国の劉昆財政相が世界経済は弱いと警告した。          

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