(ブルームバーグ): 経営再建中のジャパンディスプレイ株が大幅反落し、1カ月半ぶりの安値を付けた。白山工場に関する追加損失を計上したことで4−6月期(第1四半期)の連結純損益は833億円の赤字となり、債務超過に陥った。

  13日の株価は一時前営業日比16%安の59円まで下げ、6月26日以来の安値。

  9日の発表によると、6月末時点で772億円の債務超過となり、自己資本比率はマイナス19.3%(3月末時点は0.9%)。顧客の在庫調整や米中貿易摩擦の影響を受けた需要減により売上高が減少したほか、白山工場(石川県白山市)の減損を含む517億円の事業構造改善費用を特別損失として計上した。

  シティグループ証券の藤原毅郎アナリストは英文リポートで、低い稼働率と在庫調整で1日3億円の損失となった第1四半期決算は「ネガティブ」と分析。リストラや白山閉鎖に伴う費用が負担になる中、投資に関する新しい情報もなく、投資判断「売り」を継続した。

  最大顧客である米アップルの業績低迷で主力の液晶パネルの販売が振るわず、2015年3月期から5期連続の最終赤字を計上。財務改善に向け中国の嘉実基金管理グループを中心とした投資家から最大800億円を調達する契約の締結を決め、筆頭株主のINCJ(旧産業革新機構)や銀行団からは融資契約の延長なども取り付けた。

  Jディスプでは資金調達計画やINCJからの融資など財務支援策を反映すると、純資産は874億円、自己資本比率は17.5%のともにプラスとなり、ネット有利子負債1645億円から242億円のネットキャッシュに改善するとの試算を示した。

  菊岡稔最高財務責任者(CFO)は決算会見で、INCJと投資家連合からの「資本注入を有効に使い、今後の事業展開に活用して債務超過脱却を目指す」と述べた。経営再建に向け事業ポートフォリオ変革の中で外部連携やM&A(企業の合併・買収)も検討するとした。

  決算会見に引き続き開催が予定されていた出資予定者との共同会見は、「諸般の事情で出席者の来日が困難になった」とし、中止した。菊岡CFOによれば、健康上の理由もあり、来日が叶わなかったという。

  資金調達に先立ち、1200人規模の早期希望退職を実施、アップル向けパネルを生産する白山工場を9月末まで稼働停止するなどコストを削減。モバイルカンパニーを12月末までに分社化し、外部資本を受け入れる計画も示している。

  資金調達の契約に盛り込まれた新株予約権付社債の発行に関する臨時株主総会の開催は、契約締結手続きの遅れに伴い当初の8月29日から9月27日に変更された。

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