(ブルームバーグ): トランプ米大統領はフランス・ビアリッツでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)で表面上は、行儀良くしている。満面の笑みで首脳らと握手を重ね、サミット到着直後には「皆、仲良くやっている」とツイートした。イランのザリフ外相の突然の同地訪問にも、つぶやきたい衝動をこらえたようだ。

  それでも、トランプ氏はトランプ氏だった。米中貿易戦争など実質的な部分で強硬姿勢を続け、妥協せず、他のメンバー国にどう思われようと、わが道を貫いている。ロシアのプーチン大統領をG7に招待するアイデアも売り込んだほか、北朝鮮の短距離ミサイルをそれほど問題視せず、親しい安倍晋三首相との間でさえ認識にずれがあることを示した。

  しかし、意見の相違を露呈させたのはトランプ氏だけではない。さまざまな問題で欧州勢も一枚岩とならず、過去のサミットで米国対6カ国のような力学をもたらした圧力が幾分薄れた。これは、欧州連合(EU)離脱を巡りEUと対立するジョンソン英首相の存在が後押しした部分もある。マクロン仏大統領はドイツのメルケル首相と、EUのメルコスル(南米南部共同市場)との貿易協定批准を巡り対立した。

  そしてマクロン大統領は、世界的な景気減速が懸念される中でG7として対応可能かもしれない財政刺激の協調について、首脳間合意ができなかったことを認めざるを得なかった。税制や予算変更はG7レベルで決定できることではないと説明。こうした措置について、恐らく減税という形で最も乗り気に見えたのはトランプ氏だった。

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