(ブルームバーグ): 欧州中央銀行 (ECB)は12日に開く定例政策委員会で、勢いを失うユーロ圏の成長とインフレへの対応を協議する。ドラギ総裁は金融刺激策を再び強化する用意があるが、ドイツやフランスの中銀総裁は疑念を示しており、これまでになく意見が分かれる会合となりそうだ。

  複数の当局者が匿名を条件に語ったところでは、政策委のムードは緊張をはらんだものになる見通しだ。既にマイナス圏にある中銀預金金利がさらに引き下げられるのはほぼ確実とみられるが、資産購入プログラムによる量的緩和(QE)の再開については、独仏のほかオランダの中銀総裁も切実な必要性がないとけん制している。

  ECB政策委メンバーのうち、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁とオランダ中央銀行のクノット総裁は、現在の経済情勢はQEを正当化しないと主張。フランス銀行(中銀)のビルロワドガロー総裁も懐疑的な見解を示唆した。

  ECBは昨年末にQEを終了したばかり。貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱がユーロ圏景気に打撃を与え、ドラギ総裁はわずか9カ月で方針転換に傾いた。しかし、総裁の退任時期が近いことに加え、新たな顔触れも加わり、総裁の見識に疑念を抱くメンバーが勢いづいたように思われる。

  エコノミストや投資家は、何らかの形態のQEをなお予想しており、そのような期待が裏切られた場合の影響、すなわち実体経済のリスクになりかねない市場金利の上昇を招く恐れがあることを政策委メンバーは考慮する必要がありそうだ。

  一方、マイナス金利が銀行に及ぼす副作用の緩和策として、一部超過準備に対し最も低いマイナス金利の適用を免除する「階層化」の導入を市中銀行は期待している。

  ECBはフランクフルト時間12日午後1時45分(日本時間同8時45分)に政策決定に関する声明を発表し、ドラギ総裁がその45分後から記者会見に臨む。

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