(ブルームバーグ): 台湾外交部(外務省)の呉釗燮部長は20日、南太平洋のキリバスと断交したと発表した。台湾は今週、1983年から外交関係を維持してきたソロモン諸島とも関係を断ったばかり。2016年の蔡英文政権発足後、中国は台湾との断交を促す外交を進めていたが、それが太平洋諸国にも及びつつある。

  これで台湾との外交関係を持つ国は15カ国に減少。太平洋諸国は残り4カ国となった。蔡英文氏が総統選に勝利した16年1月当時は22カ国と外交関係を結んでいた。

  太平洋では少なくともナウルとツバルの2カ国との関係も先行き不透明という。シドニーに本拠を置くシンクタンク、ローウィー研究所で太平洋諸国を研究するジョナサン・プライク氏は「ナウルとツバルは非常に小さな国で、両国では指導者が最近交代している。このため、圧力に弱く、台湾から寝返る次の候補と中国が感じ取る可能性がある」と指摘する。

  「パラオとマーシャル諸島は米国との関係が密接かつ重要であり、中国に乗り換えたくてもそれは難しいだろう」とも同氏は述べた。

  米国と同盟国オーストラリアは、融資や支援で太平洋諸国に台湾との断交を促す中国の姿勢に懸念を強めている。米豪の外交関係者は中国の最終的な狙いが米州へと軍事的影響力を広げることもできる海軍基地を設けることではないかと指摘する。

  モリソン豪首相は20日にトランプ米大統領とワシントンで会談し、南太平洋における中国の影響力拡大についても意見を交わす見通しだ。

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