(ブルームバーグ): 世界で最も幅広く利用されている仮想通貨は何だろうか。全仮想通貨の時価総額で約70%を占めるビットコインだと思うなら、それは恐らく間違いだ。

  不透明感が強い仮想通貨市場では、取引高に関する具体的な数字を入手するのは困難だが、コインマーケットキャップ・ドット・コムのデータは、日々および月間の取引高が最も高い仮想通貨がテザーであることを示している。テザーの取引高は4月に初めてビットコインを超え、8月前半以降の1日当たりの取引高は約210億ドル(約2兆2650億円)と、一貫してビットコインを上回っている。

  テザーの月間取引高はビットコインを約18%上回り、仮想通貨のエコシステムで最も重要な通貨であるとも言えるかもしれない。テザーはまた、規制当局が仮想通貨に慎重姿勢を示す主な理由の一つでもある。当局は市場操作を巡る懸念の中で、仮想通貨の上場投資信託(ETF)の承認にブレーキをかけている。

  「テザーがなければ日々の取引高で莫大な金額が失われる。データソースにもよるが、その額は約10億ドル以上に上る」と、ブロックチェーン技術を提供するコンセンシスのグローバル金融技術共同責任者、レックス・ソコリン氏が指摘した。

  テザーは価格変動の回避を目指す「ステーブルコイン」の中で最も多く使われている。また、世界の多くのアクティブトレーダーが仮想通貨市場に参加する経路でもある。ソコリン氏によると、仮想通貨交換業者が禁止されている中国のような国では、店頭で現金を支払えばほぼ質問されずにテザーを入手できる。そこからテザーをビットコインや他の仮想通貨と交換できるという。

  「アジアの多くの人々は、米政府の手が届かないオフショアの不透明な通貨であることが気に入っている」と、ライバルのステーブルコイン、USDコインを支持するサークルのジェレミー・アレア最高経営責任者(CEO)は語った。

備考:仮想通貨急落、時価総額100億ドル消失−テザーの損失隠ぺい疑惑で

「テザー」への消えぬ懸念、ビットコインとどう違う−QuickTake

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