(ブルームバーグ): 香港では抗議活動での覆面を禁止する「緊急状況規則条例(緊急法)」を林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が発動したことへの反発が広がり、週末に抗議運動が過激化。6月に抗議デモが始まって以降で最大級の混乱となった。

  通常なら観光客でにぎわう三連休の香港だが、デモ隊が銀行施設やスーパーマーケットを襲撃し、鉄道は一部で運行を停止。地下鉄を運営する香港鉄路(MTR)は5日、2007年以来初めて空港直通路線を除く全線で運休。祝日の7日も鉄道は依然として限定的な運行となっている。警官とデモ隊の衝突でここ1週間に十代の若者2人が発砲によって負傷した。

  6日は土砂降りの雨の中、デモ隊が道路を占拠して建物を破壊し、中国本土と関係のある企業を標的にした。また、市内の人民解放軍兵舎の外に初めて一部デモ隊が集まった。ロッキーと名乗る17歳のデモ参加者は「行政長官が緊急法の下で追加措置を打ち出してくれば香港市民の怒りを増すばかりであり、結束はより強まるだろう」と語った。

  暴力行為の激化は、緊急法発動が政治的自由の拡大を求めて戦うデモ参加者の抑制にほとんど効果を発揮していないことを浮き彫りにした。林鄭行政長官と同長官を支持する中国の当局者らは、香港の自治をさらに奪いデモ隊の反発を買いかねない過激な措置をさらに講じるか、大半のデモ参加者が受け入れ可能な解決策を考え出すかという難しい選択を迫られている。

  香港の7日の金融市場は祝日のため休場。香港銀行協会は6日の声明で、市内の現金自動預払機(ATM)の10分の1が破壊されたことを明らかにした。ただ、金融システムには引き出しに対応できる十分な流動性があると付け加えた。

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