(ブルームバーグ): 3メガバンクの2019年4−9月期の連結決算は、市場関連収益の増加などで通期純利益目標に対する進捗(しんちょく)率が軒並み60%を超えた。ただ、国内外の景気不透明感からくる与信費用の増加リスクなど懸念材料も多く、下期については3社とも慎重な見方を示している。

  4−9月期は外債相場の急騰により債券売却益を計上したことなどで、本業のもうけを示す業務純益は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とみずほフィナンシャルグループ(FG)の2社が増益だった。

  通期計画に対する純利益の進捗率はMUFGが68%、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は62%、みずほFGは61%とそれぞれ高水準だった。一方、通期目標は期初計画をそれぞれ据え置いた。

  業績予想を据え置いた背景の一つが与信費用増加への警戒だ。純利益予想9000億円を据え置いたMUFGの三毛兼承社長は、景気見通しの不透明感もあり「クレジットサイクルが変化する可能性がある」と言及。

  みずほFGの坂井辰史社長は「与信は全体でみると多少注意が必要と見ている。国内では人手不足による人件費高騰などでリテール、特にサービス業で多少与信が膨らんでいる」と述べた。

  メガ3社の今期の与信費用は、MUFGが前期比1742億円増の1800億円、SMFGが同897億円増の2000億円、みずほが同405億円増の600億円をそれぞれ見込む。4−9月期の純利益は前年同期に貸倒引当金の戻し入れ益を計上した反動もあり、3社とも減益となった。 

 4−9月期決算の結果について、モーニングスターのアナリスト、マイケル・マクダッド氏は、市場部門以外の利益貢献が見られないと指摘した上で、低金利環境下でリテール部門が苦戦するなど「成長分野がない」と懸念材料を挙げた。

  メガ3社はアジア地域など海外への事業拡大を一巡させており、今後の利益追求は「経費削減」が重要になるとの見方も示した。みずほFGは4−9月期、リテール部門での粗利益の落ち込みを経費削減効果で打ち返した。坂井社長は、同期340億円の削減額のうち損失一括処理による影響は半分程度であり、「計画を上回る削減を実現している」と述べた。年間では590億円の経費削減を目標としている。

【3メガバンクの19年4−9月期業績】

(注:連結ベース、単位は億円、カッコ内は前年同期比%)

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