(ブルームバーグ): 米中の貿易交渉では、中国が年間で最大500億ドル(約5兆4300億円)相当の米国産農産物を購入する目標を達成する方法が、「第1段階」の合意に向けた争点になっている。米国は詳細な計画の提示を求めていると、事情に詳しい関係者が明らかにした。

  協議は非公開だとして関係者が匿名を条件に述べたところによると、米国の当局者らは中国に対し月間および四半期、年間の購入目標を示すよう求めているが、中国の交渉担当者らは抵抗を示している。

  また、中国側は段階的な関税の巻き戻しについて相互が合意することが必要だと主張しているという。トランプ米大統領は関税の軽減について何も合意していないと述べていた。

  ただ、米中両国が互いの製品・商品について輸入制限を緩和しようとしている兆候はある。中国は14日、2015年から実施してきた米国産鶏肉の輸入禁止を解除し、認可された供給業者からの輸入を許可すると発表した。米農務省も同様に、中国で処理された鶏肉を米国に輸入することを認めた。

  とはいえ、米国が関税巻き戻しに合意するかどうか、また合意内容の履行をどのようにして確実にするかを巡る不透明感から、部分的な米中合意が近いとの楽観はここ数日間に弱まっている。トランプ大統領は第1段階の合意に達することができなければ中国製品への関税を大きく引き上げると表明している。

  一方の中国は、交渉が頓挫すれば米国産農産物の輸入が脅かされると示唆する措置を講じている。交渉進展に伴い米国の農産物の一部の輸入を再開したものの、米国産大豆の陸揚げを遅らせていると関係者が話しており、これにより追加の輸入が遅れる可能性がある。

  主に国家備蓄用の約180万トンの大豆が、中国の港で足止めされている。中国商務省と税関総署にそれぞれ合意履行メカニズムと陸揚げ遅延に関しファクスでコメントを求めたが返答はなかった。

  中国商務省の高峰報道官は14日の定例記者会見で、中国と米国は貿易協議の第1段階合意を巡り徹底的な話し合いをしており、既存の関税の撤回は合意の重要な条件だと重ねて強調した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先に、中国は数量的なコミットメントを文書化することに慎重だと事情に詳しい関係者の話を基に報じていた。 

  また、中国の民間大豆加工業者は今週、米国産の大豆を購入したが、その量は市場で予想されていたよりも少なかったと、事情に詳しい関係者が明らかにしている。 

(鶏肉輸入の解禁や米国産大豆購入について追加して更新します.)

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