(ブルームバーグ): 国内の生命保険会社が保有する外債投資の為替リスクを回避するためのドルヘッジ比率がここ10年で最低水準となっている。ヘッジコストが割高なまま推移しているうえ、ドル・円相場が値幅の狭い推移を続けていることが背景にある。

  ブルームバーグの試算によれば、日本の主要生保9社が保有する米ドル建て資産は9月末時点で38兆2000億円規模。そのうち、ドルヘッジを施している資産は17兆7000億円程度で、比率では約46%と少なくとも2009年以降で最低水準に達している。

  

  三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストは、ドル建て資産の「ヘッジコストは、トータルで見るとまだ高い」と指摘。「今はドル・円のボラティリティー(変動率)が下がっているため、円高方向に動き出せばヘッジを考えるとして、様子をみようという感じだろう」と言う。

  ブルームバーグのデータによると、6カ月物の米ドルのヘッジコストは年率換算2.20%前後で、米30年債利回りとほぼ同水準となっている。このため、ドルのヘッジコストを負担すると、国内投資家による米国債運用利回りはマイナスになりかねない。一方、ヘッジを付けなければ為替が大きく変動しない限りプラスを確保できる公算が大きくなる。

  今年に入ってからのドル・円の変動幅は約8円と、このまま推移すると年間の過去最低水準を更新する見込みだ。日本生命保険は19年度の予想レンジを1ドル=95円から115円、第一生命保険は100円から110円としている。

  バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジストは、生保各社のヘッジ比率の低下について、「彼らはそんなに円高に行くと思っていないことだと思う」と言い、「米国債は為替オープンで買ってきているところも増えてきていると思うので、短期的にはドル・円のサポート要因」と話した。  

  

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