(ブルームバーグ): 安倍晋三首相は6日、三重県伊勢市の伊勢神宮参拝後の記者会見で、中東情勢が緊迫の度を高めているとして、現状を「深く憂慮している」と述べた。自衛隊の中東派遣方針に変更はなく、同地域の安定化に向けた独自の外交努力を続ける考えを明らかにした。NHKが会見を中継した。

  米国によるイラン革命防衛隊の司令官殺害で中東情勢が緊迫化して以来、首相として初めての公式コメントになる。元日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告についての言及はなかった。

  安倍首相は中東情勢について「事態のさらなるエスカレーションは避けるべきであり、すべての関係者に緊張緩和のための外交努力を尽くすことを求める」と語った。日本としては「外交努力と併せて情報収集体制を強化するため、自衛隊を派遣し、日本関係船舶の航行の安全を確保していく」との方針も示した。

  日本とイランは昨年6月に安倍首相、12月にはロウハ二大統領が相手国を訪問するなど友好関係を維持してきた。昨年12月27日に中東地域を航行する日本船舶の安全確保を目的とした海上自衛隊の派遣を閣議決定したが、イランが警戒する米主導の有志連合とは別で独自の活動と位置付けている。

  2020年の政策課題としては全ての世代が安心できる社会保障制度への改革が「内閣の最大のチャレンジ」と指摘し、労働や年金制度改革などの法案を今月召集の通常国会に提出する方針を明らかにした。

  憲法改正については「私自身の手で成し遂げていくという考えには全く揺らぎはない」と述べた。改憲のスケジュールは「期限ありきではない」として、通常国会の憲法審査会で与野党の枠を超えて活発な議論を通じ、「令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定を加速させたい」との考えも示した。

(情報を追加して更新しました)

©2020 Bloomberg L.P.