(ブルームバーグ): 英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、ジョンソン首相は年末までの期限内にEUとの完全な取り決めを目指しているが、欧州委員会のフォンデアライエン委員長はそれは「不可能」だと警告した。

  同委員長がEU離脱について目立った介入をしたのは先月1日の委員長就任以来初めて。フォンデアライエン氏はEUは離脱合意の詳細を詰めるため「昼夜を問わず仕事に取り組む用意がある」と述べたが、ジョンソン首相に対して英国とEUの今後の関係で全ての局面について詳細な交渉を行う時間はないと警告した。

  フォンデアライエン氏は8日、ジョンソン首相との会談前にロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで講演し、交渉は時間的に見て「極めて厳しい」と述べ、「何を優先事項に置くかが問題だ」と指摘した。

  英首相府は、ジョンソン氏がフォンデアライエン氏に対し、年末までの交渉完了を有権者が期待していると伝えるとしている。しかし、離脱後における英国とEUとの取り決めは財・サービスの貿易や安全保障協力、データ共有など多岐にわたる範囲をカバーする必要がある。

  フォンデアライエン氏は「これら全てを交渉するのは基本的に不可能だ」と言明した。

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