(ブルームバーグ): スウェーデンの10代の環境活動家グレタ・トゥンベリさんとトランプ米大統領は21日、スイスのダボスで開催の世界経済フォーラム(WEF)年次総会でそれぞれ演説した。世界を救う方法についての2人の主張はこの上ないほどかけ離れ、環境問題の緊急性についてコンセンサスを形成することの難しさが浮き彫りになった。

  ワシントンで自身に対する弾劾裁判が始まる数時間前にスピーチしたトランプ大統領は、環境活動家を「われわれの生活のあらゆる側面をコントロール」しよう心に決めた「人騒がせな人々」と否定的な言葉で言及。その一方で、今年のダボス会議の主要なテーマである気候変動については語らなかった。

  トゥンベリさんも含む聴衆に対し、大統領は「破滅の予言を繰り返す人々とその大災害の予言をわれわれは拒否しなければならない」と述べるとともに、自分がかじ取りする好調な米経済は、石油とガスの増産にも後押しされ、「今が楽観すべき時」であることを意味すると語った。

  トゥンベリさんはこれに対し、ダボスに集まったエリートたちの「空虚な言葉と約束」は気候変動について何もしないのに等しいと、厳しく批判した。

  トランプ大統領とトゥンベリさんは互いに言及したわけではなく、直接対面することもなかったが、両者の間の明確で埋めようもない溝は、気候変動問題を巡る二項対立を浮き彫りにした。

  コンサルティング会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長はブルームバーグテレビジョンに、「ここにはグレタさんがいて、気候と持続可能性について語る人がたくさんいる」ものの、ダボスに集まった人々はトランプ大統領個人は好きになれなくても、大統領の政策は好んでいると話した。

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